2003年4月3日(木)

 銀座のゼアリズ・エンタープライズで塚本晋也監督の取材。新作『六月の蛇』と、DVD-BOX『塚本晋也 COLLECTOR'S BOX』(5月22日発売)について。以前、竹中直人の取材をしたことがあるが、あのときは新作アルバムが出たときのミュージシャンとしての竹中が相手だったので、映画監督への取材は、大学時代に映研の学祭企画で山根成之(70年代後半『さらば夏の光よ』『突然炎のように』といった青春映画の佳作で評価の高かった人)に公開インタビューして以来ということになる。
 もちろんぼく自身塚本監督の大ファンだったから久々に強くモチベーションをかきたてられる仕事で、さすがにえらく緊張した。何百回となく取材してきても初対面の人はそれなりに緊張するものだが、やはり本業とはちがう畑の、しかも海外でもきわめて評価の高いカリスマ監督となれば、気の張り方がちがう。
 とはいえ、いざ取材が始まってしまえば、ふだんと変わらぬ感じで会話できたのだが、物腰も話しぶりも話の内容も温厚そのものなのに、どこか訊く者に妙な緊張感を与えるのは、さすがに『鉄男』『東京フィスト』といった異形の傑作を作り出した屈指のカルト監督だけのことはある。『鉄男II』はミニストリーのアルバムに触発されて作ったとか、でも音楽にはあまり造詣が深くない、とか興味深い話も。『六月の蛇』は、新境地であり、かつどこまでも塚本晋也でしかない傑作だ。
 終了後は持参したLDのジャケにサインをもらう。取材相手にサインをねだったのはひさしぶり。日本人では初めてかも。