2003年4月18日(金)

 『Disc Guide Series UK NEW WAVE』品切れ中でご迷惑をかけてます。重版出来までしばらくお待ちください。大きな書店の音楽書コーナーでは残っているところもあるようです。ネットショップではここと、ここに在庫あり。

 カルメンマキ@スターパインズカフェ。見るのは去年の秋以来かな? そのときはハード・ロックぽかった気がするが、今回はかなり印象がちがい、もはやハード・ロックとはくくれない音楽に成長していた。もちろんハードでヘヴィなところもあるが、音の幅と奥行きが増して、表現としてスケールが格段に大きくなり、簡単にカテゴライズできるような音ではなくなっていたのだ。アルバム制作直後ということで、メンバーのテンションも高まっていたのだろうし、アレンジなどいっそう整理され完成されていたはず。2部構成で、一部がアコースティック・セット、二部がエレクトリック・セット。どちらも素晴らしかったが、とくに前半の豊穣で柔らかい音の広がりが印象に残った。鬼怒無月の12弦ギターがとてもいい音で鳴っていて、全体に彼のプレイが演奏の要になっていた印象がある。ちなみにアルバムは7月発売の予定。


 会場では久々に中川五郎さんにお会いしていろいろお話する。終演後は勝井祐二にマキさんを紹介してもらう。もう50歳を超えているはずなのに、全然声も容色も衰えないのはすごい。そばでお話すると意外と小柄なのに、ステージでのあの堂々たる貫禄。さすがです。

 そして勝井祐二も久々のソロ・アルバムを完成したそうで、ご本人から直接CD-Rをいただく。いまそれを聴きながら書いているんだけど、これ、すごいです。完全ワンマン・レコーディングによるエレクトリック・ヴァイオリンのインプロヴィゼーションが4曲。しかしヴァイオリンだけとは思えない多彩な音色と変化に富んだ展開で飽きさせない。アンビエントでエクスペリメンタルでプログレッシヴでオルタナティヴでエレクトロニカでエスニックでニュー・ウエイヴ。まさに幽玄の境地だ。これも7月発売予定だそう。
 ちなみに勝井さん、『Disc Guide Series UK NEW WAVE』をお買いあげいただいたようで、ありがとうございます。現在38歳の勝井さんは完全ジャストなニュー・ウエイヴ世代で、76年ぐらいから82年ぐらいまで、パンク/ニュー・ウエイヴと名のつくものは全部聴きあさっていたそうだ。しばしニュー・ウエイヴ談義をするが、ぼくのまわりにも一杯いる勝井ギャルが一様にショックを受けることはまちがいない、その知的でスマートな勝井像を粉砕するお茶目な発言も相次ぐ。が、バラすと後が怖いのでやめておこう。

 会場をあとにして、高円寺へ移動。腹ごしらえしたあと、「日本の円盤」@円盤。題名通り日本のロックしかかけないイベントだが、一癖もふた癖もあるDJ連の顔ぶれを見てもわかる通り、変化球に次ぐ変化球で、よくぞこれほどヘンな曲ばかり探してくるもんだという選曲ばかり。マニアックだけど面白かった。DJのサミー前田さん、栗本斉さん、小暮秀夫さん、そしてオーナーの田口史人くんと、みな久しぶりに会う人ばかりで楽しい時間を過ごさせてもらった。岸野雄一さんとも初対面のご挨拶。
 「円盤」は田口くんとトランソニックの永田一直さんの共同経営による店で、言ってみれば往年のロック喫茶にDJブースとCDショップがくっついたような案配のこじんまりとした店。音楽ファンだったら誰でも一度はこういう店を持ってみたいと思わせるような楽しさがある。家賃は格安だそうだが、それでもこの不況下維持していくのは大変だろう。いつまでも続いて欲しいものだ。

 ちなみにこの日の小野島のセットリスト(1:15-2:00)

町田町蔵+北澤組/タンゴ 
浅川マキ/別れ 
黒百合姉妹/深 
さかな/レイディ・ブルー 
割礼/海のあの娘 
ヤマジカズヒデ/ヘルプレス 
七尾旅人/エンゼルコール 
羅針盤/生まれ変わるところ
loopus / fish inn