2003年11月29日(土)

 スーパーカー@渋谷AX。この日はROVOがサポートで、昨日といい、どうして自分たちより格も演奏技術も上の人たちをわざわざサポートに起用するのかと思うが、きっとスーパーカーの人たちは、憧れの尊敬する先輩と共演できるということが嬉しいのだろう。
 23日の日記で、サポートで1時間ちょっとの出番ではROVOの本領はうかがい知れない、と書いたが、いやとんでもない認識不足でした。1時間15分の持ち時間、ほとんどが自分たち以外のファンという状況で、きっちり自分たちの世界を作り上げたミュージシャン・シップの高さには脱帽するしかない。冒頭の勝井祐二のスーパーカー・ファンに向けてのMCといい、この人たちの生真面目さと誠実さがよくあらわれていた。
 そしてスーパーカーも刺激されたのか、前日よりはるかにテンションの高い演奏だった。2年ぐらい前にリキッドのオールナイトで見たときの衝撃には及ばなかったが、持てる力は出し切ったのではないか。以前知り合いの編集者が、スーパーカーは二日目がいいと力説していたけど、納得。終演後は勝井さんや山本精一さんにご挨拶。

 終了後は即座に移動、半野喜弘@青山CAY。大傑作『Lido』の発売記念ライヴで、ヴァイオリン2人、ヴィオラ、チェロ、サックス3人、ウッド・ベース、ギター、ピアノ、女性ヴォーカルとコーラスが8人、コンピューター、そして半野自身(コンピューターとヴォーカル)の計21人編成。よくあの狭いCAYのステージに全員あがったものだ。レコードはエレクロトニクスとアコースティックの高次元な融合が素晴らしいの一言だったが、ライヴではさらにアコースティック色が強くなる。しかしストリングスの優美な音色の合間に時折挿入される電子音がまた効果的で、じつにバランス感覚に富んだ演奏。半野のヴォーカルも独特の味があり、完成度だけでない奥深さ、味わい深さも兼ね備え、ゾクゾクするほど贅沢な気分にさせてくれた最高の内容だった。オールナイトのイベントで、その後には半野ひとりによるもっとエレクトロニカ寄りのセットも用意されていたようだが、2時間弱という長丁場をまったく感じさせない「Lido Ensemble」のあまりの密度の濃さにお腹一杯になってしまい大満足、半ば呆然として会場をあとにする。