2002年9月28日(土)

 土〜日と、朝霧ジャム@富士宮市朝霧アリーナ。夏から秋にかけての一連の週末イヴェントもこれが最後。さすがにここまでイヴェント三昧だと勘も働こうというもので、たぶんいいフェスティヴァルになるんじゃないかと思っていた。どうやら当日雨が避けられないことが確実ということで、迷った末断念した人はたくさんいると思うけど、ぼく自身はかなり前からまったく迷うことなく参加を決めていたのである。そして予想通り、とても楽しい2日間になったのだった。
 降り続く雨で当初予定していた駐車場が使えなくなったりするアクシデントはあったが、それ以外にとくに進行上の問題はなし。そこらへんはさすがにスマッシュ仕切りで、フジ・ロックで得たノウハウが完璧に活かされている。初日は夕方近くまで雨が降り続いたが、さほど寒さは感じない。去年参加した人によると、去年よりはるかに暖かかく、夜中も過ごしやすかったそうだ。
 最寄りの駅からも高速出口からも1時間近くかかる交通の不便さは、裏返して言えば自然に囲まれたフェス向けの素晴らしい環境だったということ。雨がすっかりあがり晴れ間さえうかがえた日曜日には、富士山も見えた。来場者の大半がクルマでテント持参のイヴェントだから、お子様や、なんでもお膳立てしないと動けない怠惰で自主性のない客はハナから相手にしてないわけだが、結果、フェス慣れしたオトナな客筋が中心となり、実にまったりして快適。仕事モードで来てる業界人がほとんどいないのもいい。フード・ショップも毎度おなじみのフェス飯屋ではなく(タイラーメンもなかったしね)、なかなかの充実ぶりだった。夜中になると多くの店が閉めちゃうのは問題だったけど。
 夜半までライヴ・ステージ、それから明け方までDJステージ、翌昼から夜までまたライヴというカタチで、ほぼすべてのアクトを見ることができたが、とりわけ印象的だったのは忌野清志郎と渋さ知らズ。清志郎の歌う「イマジン」の日本語カヴァーにはマジで涙が出た。こんなベタな曲のベタな日本語カヴァーにこうまで感動するとは……。清志郎おそるべし。桑田佳祐のソロにも驚かされたけど、おっさんロッカー、侮れないね。渋さはいつものように大人数のダイナミズムで圧倒するのではなく、テンポを落として各人のソロ回しを中心にとしてじっくり聴かせるスタイルで、最近のベスト。もちろんROVOも田中フミヤもDJ EYEも7VO7も、それぞれ良質なパフォーマンスを見せた。やはりこれはロケーションの雰囲気や、アーティスト、スタッフ、客の間にあった一体感や信頼感といったものがアーティストの演奏や、それを受け止める観客にいいヴァイヴレーションを与えたということだろう。雨を覚悟してやってきた観客の間にはある種の連帯感が芽生えていて、それがフェス全体の雰囲気をすごく親密なものにしていた。いいイヴェントだったし、ぜひ来年以降も続けて欲しい。どんなアーティストが出るのであれ、ぼくは必ず行くつもり。

 これにてたっぷり遊んだ今年の夏休みは終わり。やっぱ寂しいね。一応そこらへんの総括記事を次の『ミュージックマガジン』に書いたので、興味のある人はどうぞ。