2002年9月26日(木)

 恵比寿の写真スタジオで、ソフト・バレエの取材。3人それぞれの単独インタヴューを藤井、遠藤、森岡の順でやったのだが、これが近来まれに見る面白さだった。穏やかな口調だがシニカルな受け答えの藤井(どうも彼は、「いいやつと思われたくない」というタチなような気がする)、冷静で生真面目な遠藤、率直で、かつインタヴューもエンタテイメントしてる森岡。再結成への意気込みや今後の展開まで、とにかく全員まるで言うことがちがう。メンバーの誰に訊いても判で押したように同じようなプロモーション・トークしか言わない管理されたバンドばかりな中、これほどまでに考えていることも、喋ることも一致しないのは珍しい。とくに藤井と森岡は、なぜこのふたりが一緒にやっているのか不思議なほど。ふたりの会話などをハタで聞いていても、こっちがハラハラするような棘のある言葉を交わしていたりする。対極にあるふたりのかすがいになっているのが遠藤ということなんだろう。もともと「バンドのようでバンドでない」というか、人間関係的にも音楽的にも実に不可思議なバランスで成り立っている人たちなのだが、解散後7年の再結成でも、それは変わりないようだ。森岡が言っていたが、人間的には合わないけど、音楽的には必要な相手、ということなんだろう。陰があるから陽も輝くというか、白があるから黒も引き立つというか。そういう関係はほかのバンドでもありそうだが、それをジャーナリスト相手にも隠さないところが面白い(ぼくが過去何度も取材していて、ある程度気心が知れている、ということもあるだろう)。同行した編集者は「なんか外タレのインタヴューみたいだった」と言っていた。藤井はバンドに対して距離を置くようなクールな発言に終始していたが、森岡がそれに対して「でもソフト・バレエのことを一番真剣に考えているのは藤井だと思う」と呟いたのが印象的だった。