2002年9月10日(火)

 渋谷クアトロでアート・リンゼイ。ドラムレスの編成で、メルヴィン・ギブスbと、サンプラー、パワーブックほかエレクトロニクスとサックス担当、ギター奏者に加え、アートという4人編成。アート以外は全員非白人。なんでもなるべく生楽器を用いないライヴというのをつねづねやってみたかったそうだが、何曲かはやはり通常の生ドラムのほうが良かったのでは、と思うところも。だが総体としてはかなり満足度の高いライヴだった。いい意味で、アートはオトナのミュージシャンだと痛感する。それは落ち着き払ったつまらなさというのではなく、ノイジーなギターをかき鳴らしエレガントな曲調を粉々にしてしまうようなガキっぽさも兼ね備えた成熟という、ある意味で理想的な歳の取り方をしているように思えたのである。この世界、ちょっとやそっとのキャリアじゃ絶対出せないと思う。
 土曜日のTrue People's Celebrationもいろんな人に会ったが、なぜかこの日はコーネリアス小山田、バッファロードーター大野由美子、ホッピー神山と、立て続けにミュージシャンばかりに会う。ホッピーとはしばし立ち話をするが、なんでも面倒を見ているX−GIRLがスージー&ザ・バンシーズのツアーに同行したそうで、彼らと知己を得る機会があったらしい。バッジーはゲイかと思うぐらい女性的で穏やかな人で、それとは対照的にスージー・スーは朗らかでよく喋る、豪快で賑やかな女性らしい。ぼくらの持ってる印象と全然ちがいますね。やっぱりイメージ作ってるんだなぁ。なんでもスージー&ザ・バンシーズはこのツアー限りで正真正銘の終わり、クリーチャーズでの活動に専念するそうだ。彼らはいまスペイン(だったかイタリアだったか失念。とにかく南欧のほう)に住んでいる。こないだのサマソニで来日したさい、次のクリーチャーズのアルバムのための素材作りで、バッジー、ホッピー、レナード衛藤という顔ぶれで(バッジーはいま、鼓童に興味を持ってるようだ)、吉祥寺のスタジオでレコーディングしたらしい。楽しみに待っていよう。

 終演後はライター小島智さん、ユニバーサルの工藤さんという珍しい組み合わせで飲み。おっさん同士の会話で盛り上がる。工藤さんは最近ライヴでよく会うのだが、現在灰野敬二に凝っていて、都内でやるライヴは全部見ているそうだ。さすがもとサイケ・バンドのギター。

 ところで、最近クルマで小野リサの新作を聴こうと思い(好きなんですよね、彼女の声)カーステレオにCDをセットしたら、ウンともスンとも言わない。ゲッ、購入早々故障かよ、と思ったら、ほかのCDでは問題なくかかる。なぜなのかしばし黙考、もしかしたらと思ったら、案の定CCCDだった。PCで音楽を聴くことはないが、カーステは日常生活に欠かせないものだから、これは困る。どう考えてもこれ、欠陥品だろう。著作権保護の必要は認めるが、現状の欠陥コピー・プロテクト・プログラムは問題が多すぎる、というのは多くの識者の言う通り。ただし音質の悪化については、元の音を知る機会がない限りなんとも判断しようがない、と思っていたのだが、高橋健太郎さんの日記に注目すべき記述がある。ここの「column」の、8月9日、20日、9月9日以降の箇所を参照のこと。