2002年6月7日(金)

 原宿アストロホールで、古明地洋哉と七尾旅人。どちらもライヴを見るのは初めてで、楽しみにしていたのだが、興味深い内容となった。古明地はレコードで聴くより生々しいリアリティがあって、声もよく通っているし、演奏Mしっかりしている。生真面目さが出たパフォーマンスには好感が持てたけど、生真面目すぎて少し堅苦しく思える瞬間があったのと、曲によってはアレンジが大げさすぎという気も。もっとさりげなく肩の力を抜くことを覚えたら、もっとよくなるだろう。
 七尾は基本が生ギター弾き語りで、それに打ち込み兼ギター+ベースが加わる形。ものすごく内向的で繊細なパフォーマンスを予想していたが、意外とヴォーカルはちゃんと声が出ていたし、なによりフランクなべらんめぇ口調のMCに少し驚く。だが、歌にもたたずまいにも一度激しく壊れちゃった人という雰囲気は色濃く漂っていて、繊細な中にも危うさを含んだ生々しさが痛い。客席に向かって何度も「元気ですかぁ」と声をかけていたが、それはこっちのセリフだよ、と言いたくなってしまった。でも本人はとてもライヴを楽しんでいる様子がうかがえ、客席とのやりとりもぎこちなさは残っていたがなごんだ雰囲気は感じられた。新作では、2年前のシングルの繊細でナイーヴでイノセントな楽曲と、最近のネイキッドで生々しいキズを感じさせる楽曲のギャップが痛々しかったけど、ライヴではそれらが渾然一体となって、ひとつの世界を作っていたと思う。

 ライヴは10時半近くに終わり、その足で「bug 02」へ向かう。今回はゲストに「paperback」誌の編集人モア・リズラー氏をお迎えしての開催。モア・リズラー氏や今村健一さんの選曲、さらにぼくの前半のセットの選曲など、前回よりハウシーでアダルトで落ち着いた流れになっていて、これはこれで面白かったのではないだろうか。ぼくは前回に「選曲が渋すぎでわからん」と言われたこともあって、1回目のセットの後半から大ネタを連発してみたのだが、今度はちがう人から「大ネタ使い過ぎ」と言われてしまい、なかなかむずかしいもんです。でもイベントとしては新しく来てくださったお客さんもたくさんいて、盛況でした。ありがとうございました。セットリストなどはこちらを参照。次回は通常なら8月だが、夏のイベント真っ盛りということで少しきついので、7月5日(金)の開催で、その次が9月にになると思います。