2002年5月24日(金)

 南青山のエイベックスで、アート・リンゼイの取材。6月5日発売の新譜『インヴォーク』についてだが、話は9.11事件など多岐に渡る。彼はニューヨーク在住なのであの事件を身近に体験し大きな衝撃を受けたのは当然として、その後のアメリカの行動やナショナリズムの高揚といった風潮についても実に冷静で、まっとうな見方をしていたのはさすがだった。温厚なインテリ・リベラリストという感じ。2回目の取材だが、触発された。久々にご一緒させてもらった通訳の丸山京子さんの完璧な仕事ぶりにも助けられた。
 ノーニューヨーク時代の話も訊くが、なんでもDNAがカヴァーするレッド・ツェッペリンのカヴァー「胸いっぱいの愛を」のテープがどっかに残っているそうだ。むちゃくちゃ聴きたいと思いません?

 渋谷NESTに移って、オルガノラウンジ主催のライヴ「「PIGGY BAND SHOW vol.3」。着いたらまもなくstill life in the atticというバンド。もともと4人組でこの日はたまたま3人での演奏だったらしい。たぶん4人のときはマイブラ流れの轟音ギター・バンドだと思われるが、3人になってタイトでソリッドなロック色が強く出ていて、なかなか悪くなかった。続くNINE LIST ACID TIMEはヴァイオリン入りの5人組。ゴッド・スピード・ユー・ブラック・エンペラー!みたいなタイプのポスト・ロック系で、メンバーはライヴ経験が浅いらしく、客席の方ではなくメンバー同士向き合って演奏していたりする。まだまだこれからのバンド。OBSCURE FIRMは女性ヴォーカルの入った3人組エレトロニカ……だったと思うが、ちょっと記憶が曖昧。
 主役のオルガノ、ここのところ彼らのCDのライナーを全部書いているのに、スケジュールがなかなか合わず、ライヴを見るのは初めて。これが期待をはるかに上回る内容で感心した。精緻なエレクトロニカ・サウンドと、童画のようなマツモトチカラのVJが見事にかみ合い、完全にひとつの世界を作っている。わずか30分ほどで終わってしまったが、いかにも短い。1時間ぐらいやっても良かったと思う。

 新宿に移り、またも上海小吃で腹ごしらえ&紹興酒。小さなボトルを2本あけ、リキッドルームの「 TERRESTRE from NORTEC-COLLECTIVE DJ NIGHT」というパーティーへ。メキシコのダンス・ミュージック・イベントだが、ライヴ・アクトのCICADAが出てくるあたりで猛烈に気分が悪くなる。なんとかCICADAのライヴ終了まで粘ったが体調は好転せず、仕方なく2時すぎには退散する。あれしきの酒で気分が悪くなるほど酔っぱらうはずもないので、やはり連日の不摂生がたたったか。 久々にチャリチャリのDJを聴けると思ったんだけど……招待してくれた人にも、同行者にも悪いことをした。
 それにしても同じダンス・ミュージックのパーティーといっても、ふだん自分が行くテクノ系とはまるでちがう、女の子率の高いガーリーなムードに圧倒されてしまった。テクノ系パーティーに行くと、後先考えず踊りまくって、疲れ果て早々にダウンしてる連中が大勢いるが、ここにはそんなお馬鹿さんは皆無。フロアのダウンビート系はともかく、ロビーのラテン/ハウス系のDJブースの前は華やかなこと華やかなこと。黄色い歓声が飛び交う盛り上がりぶりは、体調最悪で青くなっているおっさんにはまさに縁遠い世界だった。トホホ。