2002年4月8日(月)

 朝8時半ごろ起床。さほど飲んだつもりはなかったが、胃が重く、食欲が湧かない。しかし食べておかないと体がもたないので無理矢理朝食をとる。今日はまずエピックのオフィスへカズさんを訪ね、KORN新作の音を改めて聴かせていただき、それからミッチのつき合いで、翌日のフォト・セッションで使うスタジオの下見および機材の手配に同行。終わったあとは通訳をやってくれるアンティノス・マネージメント・アメリカの野谷靖子さん(通称ヤズ)を訪ねる。現地コーディネイトのほか、ソニーの日本人アーティストをアメリカでプロモーションする仕事を主にやっておられるらしい。現地で配っているというサンプルCDにはキタキマユ、ケン・イシイ、DJクラッシュ、砂原良徳、ブンブン・サテライツ、ラルク・アン・シエル、チャラ、スーパーカー、石野卓球、パフィー、ポリシックス、ACOなどが収録されている。パフィーが好評を博しているという話は比較的有名だろうが、ほかに好評なのはダントツでDJクラッシュ、ついでブンブン、それから砂原やポリシックスだそうだ。やっぱりオリエンタリズムふうエキゾティズムがポイントなんだろうか。ポリシックスが好評ってのはちょっと意外。

 それから現地でファイヴ・ワンというインディーズ・レーベルを運営、イースタン・ユースのスプリット・シングルを出したりしている川口さんの案内で、サンタモニカのカフェテラスで遅い昼食をとる。すでにこの時点でかなーりの満腹。苦しい。男5人、露出度の高いおねーちゃんでしばしの目の保養のあと、ぼくとミッチは川口さんの案内で市内の大型レコード店アメーバ(AMOEBA)へ。大型スーパーみたいな巨大スペースに全ジャンルのアナログ/CD、新品/中古や古いポスターの復刻版などが所狭しと置かれている。ものすごい在庫量で、しかも安い。出店したのは最近だそうだが、あおりを食って周辺のレコード店が3軒つぶれたらしい。まともに見ていったら丸一日かかりそうなので、ごく大ざっぱに2時間弱、CDのみ20枚ほど拾う。LAに行くことがあったら、寄る価値はある。6400 SUNSET BLVD. 323/245-6400

 ちなみにLAは公共の交通機関が皆無に等しいので、移動はすべてクルマ。今回はヒロカズ君がレンタカーを借りて運転手役を引き受けてくれたのでラクだったが、ふつうに観光で来ていたら面倒かもしれない。

クルマの中ではK-ROCKというFMラジオをずっと聴いているのだが、ここでかかるアメリカのラウド系ロックが、実にまたカリフォルニアの空気に合う。日本で聴いていてもクソ面白くもないラップ・メタルだのメロコアだのヘヴィ・ロックだのが、ハイウエイをガンガン飛ばすクルマでは妙にカッコよく聴こえてしまうのだ。逆にこーゆーとこでオウテカだのボーズ・オブ・カナダだの聴いても全然面白くないだろうな。

 ホテルへ帰ってしばらくして、近くの「MATSUHISA」という寿司屋へ。とにかく美味!お任せコースを頼んだのだが、最後に出てきた握りもさることながら、その前の焼き物や揚げ物が信じられないほどうまく、ヒロカズ君とふたりで馬鹿の一つ覚えのごとく「これ、ヤバイよー」を連発。はっきり言ってほとんど腹は減ってなかったが、コース全部をペローリをたいらげる。もちろん勘定もそれなりだが(翌日ヤズさんに話したら、なぜ私を誘ってくれないのと憤慨していた。現地でも有名な高級店らしい)、東京で同じ味を楽しもうと思ったら、倍どころの騒ぎじゃすまないだろう。

 いい気分でホテルに帰り、買ってきたCDを聞きながら読書や取材の準備。この日読んだのは『流星ワゴン』(重松清、講談社)