2002年4月26日(金)

 溜池の共同通信社で『オーディオベーシック』のための試聴対談。例によって相手は広瀬陽一さん。今回は広瀬さんの発案で真空管プリメイン・アンプの比較試聴である。ソースは小沢健二、カサンドラ・ウィルソン、マイス・パレード、ギターウルフ(笑)。ギターウルフを真空管アンプにノーチラス802で聴くなんて、ふつうは絶対ありえないシチュエーションだが、ま、それはそれ。いつも優秀録音で定評があるカサンドラ・ウィルソンは他の試聴記事でも使われるだろうが、小沢健二ってのも、実はすごい優秀録音なのである。他のJ-POP盤みたいにラジカセで聴くことをまったく前提としてないHi-Fi録音は、実に潔い。
 真空管アンプの音なんてまともに聴いたことがなかったので、今回の試聴は勉強になった。真空管アンプでは最新のデジタル楽器を使ったデジタル・ソースの重低音に追随しきれない、というのはある程度予想できたことだが、それに比べカサンドラ・ウィルソンの音楽表現の豊饒さ、素晴らしさといったら……。比較のため聴いた某社のトランジスタ・アンプが、パサパサに乾いた老人の肌のように思えた。ソースを選ぶなら、つまりトラディショナルなバンド・スタイルの音楽やむかしのアナログ録音しか聴かないなら、真空管アンプというのはかなり魅力的な選択肢だと思う、なにより、ルックスがいいしね。