2002年4月22日(金)

 緊張なのか興奮なのか時差ボケなのか早朝6時ぐらいには目が覚め、質問の最終チェックなどをして朝食、そのままインタビュー会場のソーホーのホテルへ。通訳の原知子さんと打ち合わせする。インタビューの部屋にはインタビュアーと通訳、ボウイ本人しか入れない。新谷さんは通訳なしで直でやりとりするので、わずか30分とはいえ、その間はボウイ様とツーショットなわけだ。からかうと、蒼白な顔で「虫でもいいから誰か一緒にいて欲しい!」などと言い出す。あまり極度に緊張してる人がいるとかえって落ち着いてしまうもので、なんとなくリラックス・モードで出番を待つ。

 大谷さん、新谷さんと続き、いよいよ現地のレコード会社の担当に呼ばれ、一旦控え室で待機。有名な古株マネージャーのココ・シュウェッブが顔を出す。ニコニコと愛想のいいおばちゃん。しばらくするとインタビュー部屋へ。入るなり、ボウイは満面に笑みを浮かべ握手を求めてくる。公式発表の身長はぼくと同じぐらいのはずだが、実際はもっと低そうで、やせこけているせいか威圧感はまったくなく、予想以上に小柄である。「なにか飲み物はいるかい?」と話しかけ、自らポットからコーヒーを注ぎ、「最初の質問は?」とうながす様子に、長年神話の中に居続けたスーパースターらしい威圧感や緊張感はまったく感じられない。
 インタビューでも、実に機嫌がよさそうによく喋る。いや、喋りすぎという感も。通訳からの返しは一切なしで、質問だけしてもらったのだが、それでも用意してきた質問の半分もできなかった。さきほどはリラックスしていると思っていたがやっぱり緊張していたらしく、ボウイの喋る内容の半分も理解できなかったからなぁ。

 30分の会見はあっという間に終わる。抜け目なくサインももらう。ヤフオク用に(笑)、名前を入れないでもらおうかとも思うが、こういうのは縁起モノですから。でもライコ盤CDというのがちょっとなぁ。アナログが一番いいんだけど、まさか日本から持ってくるわけにもいかないし……と思ったら、ざわおと新谷さんは日本からアナログ持参。負けた(笑)。

STATION LOW HEROES


 放心状態のまま、取材陣は一旦解散、ぼくは近くのグリニッジ・ビレッジでレコ屋巡り。ニューヨークは5,6年ぶりだと思うが、ビレッジ周辺のレコ屋事情もだいぶ様変わりしたようで、知っている店がなくなってたり、新しい店がいくつもできてたり。テレヴィジョン「マーキー・ムーン」の片面モノ、片面ステレオの12インチ・シングルとか、ディーヴォのスティッフ時代の音源のアメリカ盤12インチなどゲット。7時過ぎに戻り、近くのイタリアンで打ち上げのディナー。ワインも美味しく、心地よく酔う。女性4人、男2人という席で、終始女パワーのかしましさに圧倒される。なお金曜日には鋤田正義氏によるフォトセッションも予定されているらしく、ボウイは心待ちにしてるんだとか。もちろん日本のみのエクスクルーシヴなもので、クロスビートを始め、各誌で見られるはずだ。言うまでもなく、鋤田さんは上の「HEROES」のジャケや、マーク・ボランのレスポールを持った有名なポートレイトなど撮った国際的なカメラマンである。