2002年3月28日(木)

 京橋の映画美学校試写室で『イグジット』。フランスのオリヴィエ・メガトン監督の初長編作で、リュックベッソンが製作。いわゆるシリアル・キラーもの、サイコ・スリラーもので、濃い絵の具のような鮮烈な映像美と、死と狂気を描くオヴセッシヴな筆致が、タダモノでない雰囲気を漂わせている。ほとんど全編に渡って通奏低音のように鳴り響くノイジーな音楽に、最初はもう少しメリハリをつければいいのにとも思ったが、物語が進むにつれ神経症的な恐怖感をうまく煽っていることに気づく。好き嫌いはあると思うが、カルト作として人気を集める可能性がありそうだ。採点=8。4月27日から台場シネマメディアージュで公開。

 夜は下北沢シェルターで、惑星主催のイベント。着いたらインビジブルマンズデスベッドというバンドをやっていて、これが傑作。ステージ・パフォーマンスから演奏から外見から、とにかく過剰の一言。外道と村八分とキッスとロッキー・ホラー・ショーとジミ・ヘンドリックスとシアター・ブルックを合わせて、スピードかまして無理やりハイになったような、とにかく壮絶というかめちゃくちゃなライヴをやる。喋らないロマンポルシェというか、無口なユウ・ザ・ロックというか。両者の喋りパワーを全部ステージ上のふるまいに注ぎ込んだようなたたずまい。なんだかわからんでしょうが、とにかくあんなに笑ったライヴは久しぶりだった。年齢を聞いて、まだ21歳というので2度びっくり。各レコード会社の人間も見にきていて、これから台風の目になるかも。注目です。

 インビジブルマンズデスベッドがあまりにすごかった(いろんな意味で)ので、ごくオーソドックスでスマートなロックンロールを聴かせるトリの惑星は少し損をした感もあるが、ライヴそのものは、こないだミーン・マシーンの前座でAXで見たときよりずっとこのバンドらしい個性は出ていた。リズム・セクション(特にベース)がしっかりしているのがいい。ただ、ヴォーカル/ギターの岸田はちょっと客にアピールしすぎ。熱狂してるさまを見せるのだが、その振る舞いが少々ワザとらしく映るのだ。このあたりは舞台俳優らしく演技過剰になってしまうのかもしれない。。ルックスは非常にいいし、バンドとしてフォトジェニックな存在感はあるので、もっと客には素っ気なくしてもいいと思った。