2002年2月7日(木)

 映画美学校試写室で『スリープレス』。『サスペリア』で有名なイタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェントの久々の新作。この映画のために『サスペリア』でもアルジェントと組んだプログレの異端ゴブリンが再結成、音楽を提供している。正統的なホラー・サスペンスだが話そのものは整合性のあるものではないし犯人像も目新しさはないのでく、謎解きの面白さやホラーとしての恐ろしさを味わうというより、鮮血飛び散る場面の様式美や、通常よりはるかに大きなミックスで鳴り響くゴブリンのおどろおどろしい音楽を享受するための映画だろう。まさにB級スリラーの醍醐味たっぷり。深爪の場面、痛そー。採点=7。3月より新宿武蔵野館3でレイトショー公開。

 続いて同じ映画美学校試写室で『グローウィン・グローウィン』。弱冠22歳という堀江慶の初監督作品で、製作・脚本・編集まで手がける。結婚を決意していた女にあっさりとふられ動揺のあまりはずみで殺してしまった男と、その後輩で、23歳にもなっていじめられ続けている青年が、「本当の自由を得るために」、ネットで発見した団体glowing glowingが決行する集団自殺に参加するべく旅に出る……という筋立て。「大きな物語」を喪失し、生きる意味、生まれてきた理由を見つけられない若者の苦悩を描く。『完全自殺マニュアル』や『新世紀エヴァンゲリオン』あたりとの共通点を感じた。共感できるところと、強く反発してしまうところの両面があり、映画としての完成度うんぬんより、そこに示された思想性を許容できるかどうかで大きく評価は変わると思う。日活ロマンポルノでアクの強い悪役をやっていた高橋明が、glowing glowingのヘッドを演じているが、俳優・高橋の持っているある種の胡散臭さ、腹黒さのようなイメージを監督は意識して起用したのだろうか。であれば、ラストはあまりに絶望的だ。ただし監督としての才気は感じる。今後に注目だ。採点=8。3月30日より中野武蔵野ホールにて公開。