2002年2月15日(金)

 東銀座松竹試写室で『アリ』。『インサイダー』のマイケル・マン監督、ウィル・スミス主演のモハメド・アリ映画。ソニー・リストンを破ってのヘヴィ級チャンピオン奪取から、兵役拒否によるチャンピオン・ベルト剥奪、そしてジョージ・フォアマンを破っての「キンシャサの奇跡」までを描く。演出は的確だし、脚本も見事。でもウィル・スミスっていうのがミスキャスト臭い。現実のアリが持っていたカリスマ的なオーラが感じられないのだ。とにかく映画のモチーフとしてはあまりに素材が強すぎるわけで、誰が撮ってもそれなりのものになる代わり、ちょっとした瑕疵も気になってしまう。アリのすごさをリアルタイムで知る世代にとっては、いまひとつの物足りなさが残るのである。面白い映画であることはまちがいないけど……。採点=7。GWから全国公開。

 京橋の映画美学校試写室で『ノーマンズ・ランド』。ボスニア紛争を舞台とした一種の戦争ものだが、これは面白かった。『マッシュ』とか『キャッチ22』をチラと思わせたりするブラックな戦場コメディもので、監督はボスニア・ヘルツェコヴィナ出身のダニス・タノヴィッチ。戦場カメラマン出身で、これが初監督作品で、脚本・音楽まで手がける。なかなかの才能の出現と言えそう。採点=9。本年度のアカデミー外国語映画賞にノミネートされている。GWから渋谷シネアミューズ、梅田ガーデンシネマほか順次公開。

 夜中はリキッドルームで「taboo」イベント。スカパラ冷牟田主催のパーティーだが、目当ては中村達也のロザリオズと、チバユウスケ+照井利幸のロッソ。ロザリオズは武田慎治saxを加えた編成になって4回目のライヴだそうだが、キング・クリムゾンみたいな音になっていてびっくり。これは結構面白いことになりそうだ。ロッソは、顔ぶれから予想される音を逸脱はしないが、その範囲内で、なるべくミッシェルにもブランキーにもない味を出そうという努力はうかがえた。