2002年1月23日(水)

 六本木のFOX試写室で続けて『サウンド・オブ・サイレンス』『エネミー・ライン』を見る。これがどっちも「当たり」で、ハリウッド大作の底力を見た思い。

 『サウンド・オブ・サイレンス』は、マイケル・ダグラス主演、『コレクター』のゲイリー・フレダーの監督による作品で、「マイケル・ダグラス出演作品にハズレなし」の定説をまたも裏付けるような佳作。ニューヨーク在住の精神科医と、PTSDを負った少女を巡るサスペンスで、まったく間断とすることなくテンションを高めていく演出は見事。少女役のブリタニー・マーフィーがいい演技を見せる。ただし瑕疵がなくもない。主人公の娘を誘拐した犯人が主人公に、心を閉ざしてしまった少女からある数字を聞き出せという要求を出し、翌日17時までという期限を区切るのだが、この期限の根拠が「期限を厳しく区切った方が必死に働くだろう」というぐらいしかないのが能がなさすぎ。単に物語の緊張度を高めるためのご都合主義的な方便になってしまっているのが気に入らないのだ。しかし娯楽映画としては上出来の部類だろう。4月から全国公開。採点=9。

 『エネミー・ライン』は『アルマケドン』のオーウエン・ウィルソンとジーン・ハックマン出演による戦争アクション。ボスニアを舞台にしている。報道カメラマンとしてレバノンやボスニア戦線に従事した経験を持ち、その後CMやビデオクリップのディレクターをしていたという弱冠31歳のジョン・ムーアの初監督作品である。そのため戦争場面の迫真のリアリティは圧倒的で、飛び交う銃弾の音などものすごい迫力だ。対立していた部下の危機を、老練な上官が軍規を破ってまで救おうとする、というお話は『スパイ・ゲーム』と似ているが、こっちの方がはるかに上。ラストがクサすぎというかルーティンなのが気に入らないし、主人公と途中まで行動をともにするヒップホップ好きの青年の存在意義がわからないとか(ラスト近くの青年の行動には「一体アンタなんのために出てきたの?」と言いたくなる)、不満な箇所がなくもないが、とにかく映像の迫力とスピーディーな演出タッチで、最後まで突っ走る。面白いです。3月から全国公開。採点=9。