2002年1月17日(木)

 渋谷シネカノン試写室で『竜二FOREVER』。83年、たった1本の主演映画『竜二』だけを遺して夭折した金子正次をモデルとしたドラマ。生江有二のノンフィクションを原作にして、『シャブ極道』の細野辰興が脚本・監督している。『竜二』は、『仁義なき戦い』以降のヤクザ映画の流れを決定づけたとも言える傑作だが、本作も、その薄っぺらなタイトルとは裏腹の、なかなかの力作に仕上がっている。わずか2時間弱の尺のなかに、金子の不器用きわまりない熱情と、その周りの人間模様を見事にドラマとして昇華させている。脇を固める木下ほうか、香川照之といったあたりがいい味を出しているが、主演の高橋克典が大健闘。『サラリーマン金太郎』は見たことないけど、口調や立ち居振る舞いなど、生前の金子を相当研究したあとがうかがえ、熱演といって差し支えないだろう。採点=7。2月、渋谷シネアミューズにて公開。

 同じく渋谷シネ・クイントでようやく『メメント』を見る。なるほどこれは評判にたがわぬ傑作ではあるが、アイディアの奇抜さに少し寄りかかりすぎている感も。謎解きの面白さより、主人公の苦悩や恐怖をもう少し強調した方が良かったかもしれない。とはいえ、見終わったあと誰かと、ああだこうだと語りたくなり、2度3度と見たくなるのは『12モンキーズ』などと通ずるカルト映画の粋。採点=8。