2002年1月11日(金)

 京橋の映画美学校試写室で『マップ・オブ・ザ・ワールド』。友人の娘を誤って死なせ、つとめている小学校の生徒の母親から幼児虐待で訴えられ逮捕されるという理不尽な運命の変転に振り回されながら傷つき成長していく主人公を演じるシガニー・ウィーバーの演技が素晴らしい。オフブロードウエイの舞台監督あがりのスコット・エリオットの初監督作。正直な話、個人的には自分で金を出して見に行こうという気には絶対ならないタイプの映画だけど、アメリカ映画らしく生真面目に、丁寧に作られた良心作だ。採点=6。2月下旬から新宿武蔵野館3で全国順次公開。

 同じく京橋のメディアボックス試写室で『ジェヴォーダンの獣』。フランス大革命前夜の18世紀末、南部ジェヴォーダン地方を恐怖のどん底に叩き込んだ「ジェヴォーダンの人食い狼」事件をテーマにした歴史ロマン。歴史上の伝説的な事件の謎を現在の視点で解き明かしていく、という点では12月7日付けの日記で紹介した『フロム・ヘル』と共通点があり、解き明かされる事件の真相もある意味では似通った発想なのだが、エンタテインメントとしての出来はこっちのほうがはるかに上だ。ロマンス、カンフー・アクション、ゴシック・ホラー、チャンバラなど、およそあらゆる娯楽映画の要素をゴッタ煮的に叩き込んだエネルギー、コマ落としやストップモーションを多用したスピーディーな編集(ジョン・ウーが担当)、原色の絵の具をぶちまけたようなこってりと濃密で鮮やかな映像美など、2時間18分という上映時間はまったく間然とするところがない。監督は小池一夫・池上遼一劇画の映画化『クライング・フリーマン』に続きこれが2作目となるクリストフ・ガンズだが、こんなすごい力量とは知らなかった。とにかく面白いです。フランス映画って、けっこうすごいことになってるみたい。採点=9。2月から全国公開。