2001年9月30日(日)

 この日福岡ドームでの福岡ダイエー対大阪近鉄の試合で、ダイエーのバッテリーはホームラン日本新記録にあと1本と迫った近鉄ローズを敬遠攻めにした。優勝が決まったあとのいわば消化試合、興味はローズの新記録挑戦に絞られていたが、第一打席は無死走者なしでストレートの四球、第二打席も四球、第三、第四打席は敬遠攻めにキレたローズがボール球を無理矢理振って凡退。四打席全18球でストライクは一球しなかったそうだ。ダイエー若菜バッテリーコーチが29日から予告していた“敬遠策”は、試合前のバッテリーミーティングで最終確認された。尾花投手コーチにも異存はなかった。

 もちろんダイエーの指揮官はそのホームラン日本記録を持つ王貞治・国民栄誉賞監督様である。この件に関して若菜コーチは「うちの指揮官が記録を持っている以上、バッテリー間で配慮しないとね。時代が変わっても、王監督の55本は日本プロ野球界の象徴として置いておくべきだ。ローズはいずれアメリカに帰る選手だし、目の前で監督の記録を抜かれるのは忍びない」とコメントし、王監督は「選手の判断に任せてある。この前(9月7日からの3連戦)は3本打たれた。田之上自身がローズと相性が悪いというのもあるし、田之上の最高勝率のタイトルもあった」と語った。ローズは試合後「記録をそのまま残したいんなら、それでいい…。ボール球を打ちに? ヒットを打とうしてただけ」と語り、近鉄中村は「お客さんに対して失礼だ。だから、日本の野球はダメなんです! 敬遠してたら、バリー・ボンズもあんなには打てんでしょ」と怒りのコメントを残した。

 あまりに突っ込みどころ満載のこの事件。以前阪神バースがやはり王のホームラン記録を更新しそうになったとき、当時王が監督していた読売は同じようにバースを敬遠攻めにしたが、そのさいも王は「選手に任せてある」と言ったそうだ。自分の記録を守るために敬遠を指示(だか黙認だか知らんが)、非難を浴びそうになると選手のせいにする王の人間性もさることながら、そんな国民栄誉賞監督様をかばうためスケープゴートとなって上記のような電波発言をせざるをえなくなってしまったイエスマン若菜のオツムの足りなさ加減も哀れ。この「ローズはいずれアメリカに帰る選手だし」うんぬん(NHKのサンデースポーツでコメントしたらしい)という若菜発言、アメリカのマスコミで、日本球界の閉鎖性と人種差別体質を象徴するものとして袋叩きにされるのは確実だ。イチローが米メジャー・リーグ記録を次々と塗り替えているいま、あまりに配慮がなさすぎ。ていうか、頭悪すぎ。

 この日記を書いているのは10月1日早朝だが、とりあえず今日のマスコミがこの事件についてどう報じるか注目。NHK以外の昨晩のテレビは全部無視だったそうだが……。バースのころとちがって今はネット時代。アメリカのテロ事件に関してもそうだが、一般人が気軽に、そして堂々と意見を公表できるようになっているし、以前だったら一部の人しか知りようのなかった事実(サンデースポーツでの若菜発言とか)も、あっという間に広がる。マスコミがいくら情報隠蔽/操作しようとしても無駄なのだ。もちろん、その怖さ、恐ろしさもあるんだけど。