2001年8月18日(土)

 結局前夜、寝たのは6時近く。10時には起床、シャワーを浴びて簡単な朝食をとり、11時半ごろには会場に向かう。睡眠は絶対的に不足しているはずだが、昨日よりは体調は全然いい。
 前日もそうだったが日差しは強いものの風がかなりあるので、さほど暑さは感じない。ただしそのぶん砂埃がすごい。動員はさすがに前日の倍ぐらいありそうで、広い会場もちょうどいい混み具合だ。以下、簡単に。

ナンバーガール……いつも通り。フジのときもそうだったが、こういうイベントでの身の処し方(MCなども含め)をよく心得ている。
ザ・バック・ホーン……直球、直球、また直球。見たのは2度目だが、気合いの入ったいいライヴだった。デビューしたばかりなのに客のウケもよく、曲もよく知られていた。意外にはやく人気が出るかも。
怒髪天……初見。編集者の強い勧めで見る。ちょっとコミカル入った熱血系で、なんかむかしのバンドブーム期によくいたタイプと思った。
レピッシュ……久々に見た。さすがにベテラン、技術はしっかりしているし、イベント慣れしていて客の盛り上げ方からステージの構成まで、実に手慣れたもの。
スピッツ……テント・サイトから遠目に見る。草野マサムネの洋楽志向を強く感じた。やはり曲はいいです。
 このあとテントでバーベキュー。これぞRSRFの醍醐味だ。野外の澄んだ空気の中飲むビールがうまい。
ハイ・ロウズ……これも久々。レピッシュ同様、イベント慣れした人たちだが、こっちの方がはるかに純粋で素朴なエネルギーを感じる。甲本ヒロトのパフォーマンスは、実にエモーショナルかつフィジカルな喚起力を持っていて感動した。例によって全裸パフォーマンスあり。

小島麻由美……初見。どんなライヴをやるのかと思っていたが、サロン的な雰囲気を狙ったもののよう。だがアーティストの側に「見せる」意識が欠如していて、どうにもいたたまれないライヴ。
UA……小島麻由美を中座して見る。フジでのライヴがあまりに評判がよく、見逃したのを悔やんだものだが、はたして素晴らしいライヴだった。ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラを加え、ギターに花田裕之を迎えたライヴはまさにプロフェッショナル。歌も演奏もアレンジも雰囲気も最高で、まさしく完璧なライヴだったと思う。細かい音のひとつひとつ、声の端々に深くて濃いニュアンスが詰まりまくっていて、息苦しいほど感動的だった。しかもただ感情を込めるというだけでなく、それを完璧なまでにエンタテイメントとして昇華する技術と余裕を持っている。少なくともライヴという場に於いては小島麻由美に足りないものをUAはすべて持っていると思った(残念ながら、逆はない)。ぜひともこの調子でレコードを作って欲しいが、レコードでこの雰囲気を再現するのはなかなかむずかしいだろうとも思う。フジもそうだったが、石狩の澄みきった夜空を眺めながら、シンとした空気に溶け込んでいくUAの声を聞くというシチュエーションがまた素晴らしかったからだ。「今日という日は二度と来ないから、ロマンチックな夜にしてくださいね」というUAのMCを聞いて、仕事とは言えなんでオレはこんな素敵なものを一人で聞かなきゃならんのだと嘆く(涙)。
ミッシェルガン・エレファント……実質的なトリ。一部レゲエ・アレンジにした「リボルバー・ジャンキーズ」(ツアー後半から演奏していたらしい)など新機軸もあったが、新作からの曲を中心とした演奏は、おおむねツアーの抜粋版という趣。だから焦点は2年前のRSRF以来久々に披露した「世界の終わり」だった。なぜエゾでだけ、この曲をやるのか? 終演後チバユウスケに訊くと「みんながやれって言うから」との答え。確かに2年前にこの曲をやったときの盛り上がりはすごかったけど……。
LOOPA NIGHT……石野卓球主宰のパーティーの遠征版であるが、これがちょー良かった! 夕方に北海道入りした石野はしこたま酒を飲み、始まる前からすでに泥酔状態だったようで、ぼくがUA終了後放心状態でフラフラ歩いていたら、酔っぱらってアース・テント横の芝生で寝っころがってファンの子を得意の毒舌でからかっていた。まさに上機嫌そのもの。DJにもそれが反映されて、異様なまでにハイなプレイで、客を煽りまくる。自分の出番が終わったあともずっとステージ脇で踊り狂ってたようである。ぼくはといえば、ミッシェル終了後駆けつけ、そのまま5時半過ぎまで踊り放し! いやー楽しかった。とくにタサカのプレイは明快、かつ力強く、石野よりダンサブルで素晴らしい。トリのTOBYまでまったく体が止まることがなかった。おかげでシャーベッツもブン・ブン・サテライツもシアター・ブルックも見逃したが、悔いはないよ。過去のLOOPAには数えるほどしか行ったことはないが、詳しい人によれば今回のい盛り上がりはおそらくLOOPA史上に残るのではないかということだ。ぼくはテント脇の芝生の上で踊っていたんだけど、広々していてテント内より気持ちがいい。それにしても5時間以上アタマを空っぽにして踊り狂っていたので、UAの感動がいつのまにか消えてしまったのはなんとも……。つまりプラスとマイナスみたいなもので、音楽として目指す方向が真逆だということなのだろう。UAは音に込めたニュアンスを味わい、テクノは音そのものを浴びるように感じる、ということか。どっちも最高なことに変わりないんだけどね。

 朝日が昇りきるころすべてが終わる。テントを撤収し、帰路に着いたのは7時を過ぎていた。ホテルのベッドに崩れ落ちるように寝る。