2001年7月25日(水)

 渋谷公会堂でブラック・クロウズ。てっきり開演は7時だと思っていたので、6時半開演には当然遅刻。フルに見たわけではないのでちゃんとした論評は差し控えるけど、PAの悪さにややげんなりしてしまった。この日見たのは2階席だったけど、以前同じ会場の1階最前列近くでソニック・ユースを見たときもかなりひどい音だった記憶があるので、PAエンジニアや機材の問題というより、会場の構造上の問題なのかもしれない。最近は渋谷AXをはじめ音のいい会場も増えているので、そっちに耳が慣らされているという事情もあるだろう。アーティストもその点に意識的な人が増えているだけに、この日のブラック・クロウズみたいな音は残念だし、アーティストにとっても損だと思う。
 レコードでも事情は同じで、ソウル・フラワー・ユニオンの新作など、あまりに録音がプアすぎて、肝心の音楽の中身に意識が行く前に耳がシャットアウトしてしまうような感覚さえ、あった。こういう聴き方をするのはぼくだけかといえばそんなこともなくて、懇意にしている某編集者(ソウルフラワー・ファンでもある)も同じ意見だった。こういうことを書くとまたいろいろ反響を呼びそうだが、ソウル・フラワーの場合、いい曲を書くとかアレンジを工夫するとか演奏力を高めるとかいうこと――もちろんそれは音楽家にとって一番大切なことではあるし、そういう点で彼らに注文をつけるつもりはないが――だけでなく、そうしてできあがった音楽をいかに聴かせるかということに、もう少し力を注いでもいいのではないか、という気がする。極端に言えば、それこそギターの音の鳴らし方(チューニング、コードのとり回しやアンプの調整も含め)からきちんとアドバイスしてくれるような、優秀なエンジニアととことん腰を据えて仕事してみるのも、ひとつの考え方だと思う。同じ曲・演奏なら、より耳に心地よく、音楽の中身がすんなりと心と体に入ってくるような、そんな音のほうがいいに決まっているんだから。今のソウル・フラワーも、この日のブラック・クロウズも、そういう点でえらく損をしているように思えた。