2001年6月24日(日)

 日比谷野外音楽堂で、『クイックジャパン』誌の向井秀徳キャバクラ潜入記がケッサクだったナンバー・ガール。演奏もさることながら、PAがいいのに驚く。クリアな高域、力のある中域、ファットな低域とバランスもよく、各楽器の分離も優秀、S/Nもよくベードラの空気感もあって、とにかく気持ちがいい。野音でここまで音がいいライヴも珍しい。初期はPAに金も手間ヒマもかけられなかったせいか、音がダンゴ状になっていて、細かいニュアンスというよりとにかくバンド一体となった音圧の迫力で圧倒するしかなかったが、売れてくるにつれ、細かいアンサンブルをきっちりと聴かせるような、いわばHi−Fi的な音に変化してきている。彼らのライヴでの出音の素晴らしさに改めて気づいたのは、先日のZEPP東京での「BLACK LIST」で、モッズのあとに出てきたときだった。同じPAを使いながら圧倒的な差があったのは、マイクの立て方に始まってコードのとり回しやノイズ対策まで、意識やノウハウの差が歴然としているからにちがいない。たぶん耳のいいライヴ・エンジニアと優秀なスタッフがついているんだろう。この日の野音はさすがにワンマンだけあって、PA機材のひとつひとつまで吟味されたっぷりと手間とお金をかけているにちがいない、と思わせ、「BLACK LIST」時をも上回るオーディオ的快感だった。音のいいライヴというと昨年NKホールで見たケミカル兄弟を思い出すが、この日のナンバガも、ロックのライヴとしては最高峰と言っていいと思う。

 ただ、こうしたHi−Fi志向は好き嫌いが分かれるだろうな。ギターウルフみたいな爆音ロケンロールの気持ちよさを知ってればなおさらね。まぁバンドの性質がちがうから一概には善し悪しは言えないけども、どちらかといえばウルフのあり方は古典的で、ナンバガの方向性は現代的ということか。

 演奏自体についてはまぁいつも通りと片づけては素っ気なさ過ぎるかな。アンコールで向井がエレクトリック・ピアノを弾くなど新味を出そうという努力はうかがえたけども、それまでのナンバガの到達点であるセカンド・アルバムの方法論を超えるものを、彼らはまだ提示しえていないという気がした。

 演奏中に阪神の試合経過をi-modeで確認(ぼくが携帯を買ったのは、そもそもこの用途に使うためなのです)、今日こそはと思い帰宅してテレビをつけたら、すでに逆転されてた。悪夢。