2001年2月8日(木)

 前夜遅く友人と飲みに行ったら口論(つうか、こっちが勝手にキレた)になってしまい、朝起きたら二日酔いも手伝いめちゃくちゃ激しい自己嫌悪に襲われて気分は最悪。自分のバカさ加減を呪いつつ、足取りも重く渋谷のロードランナー・ジャパンへ向かい、セパルトゥラのヴォーカリスト、デリック・グリーンの取材。新作『ネイション』(3月16日発売)について。

 インタヴューを始める段になって、せっかく考えた質問表を自宅に忘れたことに気づき、またもおのれの阿呆さ加減を思い知らされるが、しかし結果として取材は大成功だった。考えていた質問の大半を覚えていたこともあるが、アメリカ黒人らしいひょうきんなキャラでありながら、シリアスな話になると実に真摯に熱心に応対してくれたアーティストにも助けられた。話の中味も非常に濃く、共感できるところも多い。グリーンはベジタリアンらしく、日本では食事に苦労しているようだった。そのためポップコーンばかり食べているらしいのだが、巨体を折り曲げ、ポップコーンを山盛りにしたお皿から律儀に一粒ずつつまんで口に運ぶ様子が、なんとも可愛い。記事はクロスビートの4月号に掲載されると思うので、ぜひ読んでみてください。もちろんアルバムもいい出来だ。

 取材後はクロスビート編集部の山本純子さんとお茶。編集部に配属されて3年たつそうだが、いつも用件のみ電話で済ませるばかりで、きちんと話をしたのは初めてである。1時間ほど世間話して、喫茶店を出るともう夕方。昼ごろまでの小春日和から一転してのあまりの寒さに首をすくめるが、取材がうまくいったせいか、さっきまでの重苦しさが少し薄れ、気が楽になったような気がした。やっぱいい仕事って大事だね。

 ところで欧米では取材はジャーナリストとアーティストがサシで話すのが一般的で、編集者だのレコード会社担当者だのが横にはっついてくる日本式の取材は外タレにとっては奇異なものに映るようだが(ルー・リードにも以前そんなことを言われた。もちろんインタヴュワーがヘンな質問をしないか、アーティストがまずいことを喋らないか監視しているわけだ。こんなところにも日本での、アーティストを過保護にして大人扱いしない=発言について大人としての責任を持たせない風潮と、音楽ジャーナリストの社会的地位の低さを如実に感じる)、今回も、ぼくたちの前の取材でインタヴュワー(男)と通訳とアーティストだけが会話を交わし、付き添った編集者(女性)は一言も喋らなかったため、グリーンはインタヴュワーが自分のガールフレンドを連れてきたと思ったらしい(笑)。で、われわれの取材でもグリーン氏は開口一番、山本さんに「キミはエディターかい?」と訊いていた(笑)。

 夜は現在HMVフリーペーパーの仕事をしている元『炎』編集長、平野和祥さんと飲み。シビアな業界話から、おもーいプライベート話まで(笑)。