2001年2月12日(月)

 3連休の最後だが、この日も近所に買い物に出たほかは一歩も外へ出ず、読書三昧。

 佐藤正午『ジャンプ』(光文社)。読みやすい小説で、3時ごろ読み始めて断続的に午後6時前には読了。『本の雑誌』の2000年度ベスト1に選ばれた作品だ。コンビニにリンゴを買いにいったまま失踪してしまったガールフレンドの行方を追う青年の話で、軽いタッチ、かつ少しひねった面白い視点で描いている。これぞベスト1と力むような感動があるわけではないが、小説としてよく出来ている。行方を追う課程でガールフレンドの、それまで知ることのなかった素顔を主人公は知る。そして、半年のつき合いだったガールフレンドのことを自分は何も知らなかった、知ろうともしなかった、つまりスタートラインにさえ立っていなかったのだと気づく。すべてが明らかになったとき、それはほんのちょっとしたボタンの掛け違えであり、ちょっとした運命のすれ違いを、その「知ろうとしなかった」ことが後押し、こういう結果を生んだのだと主人公は悟る。そしてその偶然が選んだ自分自身の今を、自分にふさわしいものであり、これで良かったのだと納得し、知らなくてもいいこと、知らない方がいい謎もあるのだと気づくのだ。いろいろ考えさせられた。

 続いて藤原伊織『雪が降る』(講談社)。。一昨々年に買ったまま、なぜか読む気がせず積ん読になっていたものを引っ張りだしたのだが、予想通りいまいち。この作家らしいセンチメンタルな短編集。

 さらに、読みさしになっていた黒武洋『そして粛清の扉を』(新潮社)。途中まで読んで、ダウン。