2001年12月29日(土)

 配給会社貸与のビデオで『青い夢の女』。『ディーヴァ』『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』のジャン=ジャック・ベネックスの8年ぶりの劇映画。いかにもこの監督らしい耽美な映像がたっぷり味わえる。基本的には人間の滑稽さを捉えたエロティック・コメディだが、話の筋はどうでもよくて、ひたすら映像美を味わうための映画と言えよう。ダビング状態の悪いビデオを見てこれほどなんだから、劇場の大きなスクリーンで見たらさぞや、と思う。ほとんど死体で登場する主演女優エレーヌ・フジュロールのあまりの美しさ、妖艶さにぶったまげました。採点=6。シネスイッチ銀座、渋谷シネ・アミューズで公開中。

 夜は渋谷DESEOで、オートモッド主催のイベント。出演は順にチコ・ヒゲ&ザ・ユニット、遠藤ミチロウ、オートモッド、そしてリザード……のはずだったが、ヒゲが怪我で急遽出演とりやめ(なんでも全治半年の大怪我らしい)、代わりに元ガスタンクのBAKI率いる#9が出演。
 #9は割合オーソドックスなロックンロールだったが、BAKIのワイルドなヴォーカルとダイナミックな演奏がカッコイイ。スキンヘッドにしたBAKIはカリスマチックなオーラがある。
 ミチロウさんは例によって生ギター弾き語りだが、その衝撃的とも思える深みのある歌唱は素晴らしいの一言。その凄みのあるパフォーマンスは、やはり数多いライヴの現場で鍛えまくっている人ならでは、といえる。「天国の扉」はいつ聴いても感動的だ。アコースティック・セット終了後はオートモッドとセッション2曲。珍しくジュネがギターを弾いたり、ジュネとミチロウのツイン・ヴォーカルで「ロマンチスト」を歌うというお楽しみも。
 そしてオートモッド、というかジュネのパフォーマンスを見たのは10年ぶりぐらいだと思うが、これが予想をはるかに上回る素晴らしさ。音楽的にはハード・ロックと言っていいと思うが、バンドの演奏力はとてつもなく高いし、ジュネのヴォーカルはドスが効いていて迫力満点。スキンヘッドにメイクを施し、かなり肉付きも良くなったジュネのルックスに、かっての美少年の面影はまったくないが、耽美を装うことをやめた開き直り?が、一種異様な迫力を生んでいた。最新型の音ではないと思うけど、これも紛れもなく現役第一線のパフォーマンスだ。今のマリリン・マンソンなんかより全然いいと思う。こないだ出たライヴ盤も悪くはないが、今のオートモッドの良さを伝えきっているとは思えない。早急にスタジオ録音のアルバムの制作希望。
 そしてリザード。モモヨがリザード名義でライヴをするのはかなり久しぶりのはず。期待していたのだが……無惨だった。やはりロッカーは常に現役第一線にいないとダメということか。モット・ザ・フープルの「すべての若き野郎ども」なんてカヴァーをやっていたが、あまりの悲惨さに聴いていられず、途中退散(言っておくが招待ではなく、自腹で見たライヴである)。オン・エア・イーストに向かう。スマイリー原島主催のイベントだが、お目当ては遠藤ミチロウと中村達也のユニット「タッチ・ミー」である。ガキ皆無、オヤジ度高しのデセオに比べ、ガキばかり、女子度90%のオンエアの客層の違いに、なにやら立ちくらみ気味。着いたらちょうどタッチ・ミーが始まるところだった。ミチロウが生ギターを持ち、達也がドラムを叩く。ほかにサポートはおらず、ふたりだけの演奏である。
 演奏曲がデセオのセットとほとんど同じだったのでちがいがよくわかったのだが、ミチロウさんの歌や演奏は一人でやるときとまったく変わらない。つまり達也のドラムがそのまま付け加えられる形なのだが、ミチロウさんひとりでも十分過ぎるぐらいの迫力と衝撃があるから、正直な話、達也のドラムスは蛇足と思った。ミチロウさんの歌の邪魔をしている、とまでは言わないが、両者が有機的に絡み合ってダイナミックに展開していくようなところがない。つまりせっかくふたりが組んだ意義があまり感じられないのである。たぶんリハーサル不足で、ミチロウの歌に達也が合わせるしかなかったのだろう。今後も継続して活動していくらしいが、このユニットのための新曲や新アレンジを導入すればきっと面白いユニットになると思う。