2001年12月2日(日)

 昭和女子大人見記念講堂で、ビョーク。

 いやもう、とんでもなくすごいライヴだった。「良かった」とか「楽しめた」なんて生半可な表現では追いつかない。全然感想まとまってませんが、思ったことをつれづれなるままに書きます。

 コンサートは3部構成で、1部はマトモス。気色の悪い映像は面白かったけど、ああいう音楽はかしこまって着席して聴いてもあまり面白くない。後半は寝不足も手伝ってかなり眠かった。

 しかし続くビョーク嬢は強力そのもの。オーケストラ・ピットからチューニング音が流れてくるだけで、会場は一気に静まりかえり、すさまじい緊張感が漂う。フル・オーケストラ+コーラス+ハープ+マトモスという大編成なのに音のバランスは悪くない(最高とも言い難いが)。もちろん演奏/歌は完璧で、これだけのライヴをすべてひとりで仕切るビョークは、まさに怪物じみている。その自己演出力はすごいの一言だ。
 
 第一部は新作からの曲が中心。会場のせいなのか楽曲のせいなのかいささか堅苦しい雰囲気もあったが、そのパフォーマンスのすさまじさに圧倒される。「I've Seen It All」あたりから鳥肌が立ちっ放しだった。旧作からの曲を中心にした2部は一転してビョークらしく自由闊達な雰囲気。「Hyperballed 」で、それまでかしこまって着席していた客が我慢しきれんという感じで次々と立ち上がり始めたのは感動的だった。それに応えビョークも楽しそうに舞台狭しとピョンピョン飛び跳ねる飛び跳ねる。素晴らしい! ただ『ホモジェニック』以前からの曲と比べると『ヴェスパタイン』からの曲が少し弱く感じたことも確か。もちろんそれを補ってあまりあるパフォーマンスだったんだけど。

 アンコール3曲目は新曲(「In Our Hands」というタイトルらしい)で、これがまた最高。マトモスの先鋭的な電子ノイズとコーラス隊のプリミティヴなハンドクラッピングが交錯する曲調は、ビョークそのものであり、かつ新鮮だった。会場の盛り上がりも一気に頂点へ向かう。

 思うに、煮詰まる前の初期ケイト・ブッシュのライヴってこんな感じだったのかもしれない。ただケイトはあまりに完全主義者すぎて、すべてを自分ひとりでやろうとして破綻しちゃったけど、ビョークはうまくパートナーを使って、軽やかでゆとりとふくらみのあるパフォーマンスを展開している。ただ音楽的才能に富んでいるというだけでなく、真の意味でクレヴァーなんだな。新作聴いて、この重厚で浮世離れした方向が続くとヤバイと思ったけど、これなら大丈夫だろう。

 各オークションでチケットは5万円程度で売られているようだが、それだけの価値はじゅうぶんにあるはず(ちなみに会場周辺にダフ屋はほとんどいない)。トータル3時間が、ほんとに短く感じられた。デート・コースとしても最強のコンテンツだと思います。これで勝負かけてダメだったら、すっぱり諦めましょう。ちなみに私はひとりで見ました(笑)。個人的には生涯のベスト10に入るぐらい感動した。5.1チャンネルDVD化を激しく希望。7日にもう一度行きます。