2001年12月12日(水)

 東銀座の松竹試写室で『カタクリ家の幸福』(6)。三池崇史監督のホーム・コメディ/ミュージカル映画だ。この3週間で、三池作品の試写だけでなんと3本目。むかの東映や東宝のプロフラム・ピクチュアの職人監督も青ざめるほどの量産ぶりである。しかもどれもそれなりの水準を保っているんだから大したもの。もっとも逆に言えばこれといって飛び抜けた傑作もないわけで、作品を絞って密度を濃くすることで一層テンションの高い創作活動ができるのではとも思うが、何かにとりつかれたように量産しまくるそのエネルギーこそが、この監督の肝なんだろう。
 本作はリストラされペンション経営に乗り出した中年男(沢田研二)と、その家族を巡るドタバタ劇。クレイ・アニメを併用した作りは、なんも言えない馬鹿馬鹿しい不条理と、この監督らしい喧騒な活気に満ちている。結婚詐欺師役で登場する忌野清志郎が最高。試写が終わった瞬間、拍手が湧いていた。来年2月23日からシネ・リーブル池袋ほか全国公開。

 夜は新宿リキッド・ルームでV∞REDOMS 主催のイベント"Peace 1212"。フジ・ロックでのボアはドラム4台、パーカッション2人にエレクトロニクスの山塚アイという編成だったが、この日はドラム3人と山塚のみというシンプルなセット。セットがフロアの真ん中に設営され、360度を観客に囲まれるというコラシアム形式のステージに、まず驚かされる。さらに四方にセットされたスピーカーからこまかいパーカッション音がシャワーのように降り注ぐアンビエントな音響効果も素晴らしい。演奏内容もフジ時よりはるかにまとまっていて、さすがと思わせたのである。4人が向かい合うように陣取り、山塚がまるでオーケストラの指揮者のように、司祭のように指揮をとり、精妙なパーカッション・アンサンブルを聴かせるのだが、こちらの先入観以上にきっちりと構成され、リハーサルを重ねた結果であるように思えた。全編ほとんどリズムのみ、山塚のエレクトロニクスも効果音的に鳴らされるだけで、山塚/ヨシミちゃんの歌とも叫びともつかないヴォーカルだけしかメロディを奏でるものがないのに、そこには豊かな音楽の魂があったのだ。

 風邪はさらに悪化、はやめに帰宅してカラダを休めればいいものを、よせばいいのに久々に会った友人と深夜まで飲み、タクシー帰宅。昨日もおとといも、あしたもあさっても飲みだよ。いつ仕事やるんだ。つうか、このまま死ぬんじゃないか?(笑)