2001年11月26日(月)

 ついに当サイトも50万アクセスを突破したようだ。開設して2年半、ナリばかりでかくなってロクに更新もできず、最近ではこの日記とディスクレビューぐらいしか書いていない。優秀なる連載陣のおかげでなんとか形になっているようなサイトに、よくぞここまで多くの方々が興味を持っていただけたものだと思う。ほんとに心の底から感謝、です。これからも無理せずマイペースでやっていきますが、なにか面白いアイディアや、「オレに連載持たせろ!」というご希望があれば(特にプロのライターの方、業界関係者の方、どうですか)、ぜひご連絡ください。またサイト運営以外でも、来年はいろいろ新しいことを考えています。形が見えてきたら真っ先にここで発表しますので、ぜひご期待ください。 では、今後とも当サイト・小野島ともども、ご指導&応援よろしくお願いします。

 新橋のTCC試写室で『ステイト・オブ・ドッグズ』(5)。モンゴルの首都ウランバードルの路地に、バッサルという名の野良犬がいた。彼は野犬狩りに撃たれて命を落とす。モンゴルでは犬は死ぬと人間に生まれ変わる、と言い伝えられている。だがかって飼い主に捨てられた辛い経験を持つバッサルは人を信じられなくなっていて、生まれ変わるのを拒み、自分の記憶を辿る旅に出る……。
 というあらすじだけ見ると、ファンタジーか、お涙頂戴的なメロドラマを想像するだろうが、これが全然ちがう、実に不思議な映画。まず俳優も、仕込みの犬も一切登場しない。映画で使われるのはすべて実際にモンゴルで撮影したドキュメンタリー映像。ストーリーはナレーターによってすべて語られ、映像は貧しく荒れ果てたモンゴルの街や寒風吹きすさぶ草原の風景を映し出すだけである。しかもそのストーリーは皆既日食や、モンゴル伝承の神話や、さまざまな宗教的挿話を織り込みながら、田舎から都会へ、前近代から近代へというモンゴル社会の変遷、そして愛と死、世界の滅亡といったテーマを、きわめて寓話的、そして観念的に語っていく。だがその映像はすべてリアルな現実そのものなのだ。配給会社の簡単な案内文を見て、『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』や『マイ・ドッグ・スキップ』のような泣かせの動物ものかと思ったら、大間違いでした。観客の想像力に委ねるような抽象的・哲学的・文学的な作品だが、映像は美しく、そしてどこか物悲しい。奇妙に心惹かれる映画だった。98年、モンゴル=ベルギー合作。来年3月、ユーロスペースにてモーニング&レイトショー公開。

 京橋の映画美学校試写室で、『ランドリー』(6)。これが初監督作品となる新鋭・森淳一の原作・脚本・演出、今が旬の窪塚洋介、モデル上がりの小雪が主演。コインランドリーで働く純粋無垢な青年テルの前に、心に傷を負った女性・水絵があらわれ……というややファンタジックなロード・ムーヴィーふうな筋立ては少々甘ったるい。テル役の窪塚の演技はやや作為が鼻につくし(もし窪塚でなく5年前の安藤政信あたりが主演していたら、どうなったかな、とも思う)、ラストはまるで『幸せの黄色いリボン』ばりのクサさ……と、突っ込みどころは満載なのだが、ぼくは結構感動してしまった。それはひとえに水絵役の小雪の素晴らしさゆえである。木村拓哉のテレビドラマ『ビューティフルライフ』ではどっちかといえば憎まれ役、『ケイゾク・映画』でもこれといって光るものはなかったが、この作品での彼女は最高。あんなにいい表情ができる女優に成長していたのだな。あんな寂しげな笑顔を見せられたら、男なら誰だって彼女を抱きしめたくなるだろう。最後など思わず劇中の彼女の幸せを祈ってしまったよ。来年の主演女優賞はもう彼女で決まりだ(早すぎだって)。まぁ同性の目から見てどう映るかわからんが、そんなに反感持たれない描き方だった思うけどなぁ(作品自体が明らかに若いOL層をターゲットにしたお話だから、同性に反感持たれたらマズイだろう。ファナティックな窪塚ファンがどう思うかはわからんが)。前述したように甘ったるいところもあるから男がひとりで見に行くような作品ではないかもしれないが(実際、試写室は女性比率圧倒的に高し)、小雪ちゃんはほんとに(・∀・)イイ!! 来年のイチ押し決定。来年春、シネアミューズほかにて公開。