2001年10月8日(月)

 未明、友人からのメールでアメリカ軍の空爆開始のニュースを知る。空しいねぇ、なんだか。ビンラディンのジハード宣言も出たようなので、どうやらビンラディンが犯人なのはまちがいないようだが、それなら身柄を拘束した上で国際法廷の場に引きずり出せばいいだけのこと。今回のような無差別爆撃が正当化される理屈はまったくない。いつかこの欄でも書いたように、国境を完全封鎖して兵糧攻めにし、難民は手厚く保護して、タリバン政権を疲弊させたうえでビンラディンの身柄引き渡しを要求する方向で行けば国際世論の支持も得られるし、イスラム社会の無用な反発を呼ぶことも最小限に抑えられる。なにより一般市民を意味なく巻き込むことがない。だが現実には、政権維持に汲々とするブッシュの思惑と、軍産複合体の意思、米ユダヤ社会の強圧などで、最悪の選択をしてしまったわけだ。失速していたアメリカ経済界では戦争特需も期待されたわけだが、ダウ平均株価は50ドル以上の暴落で、完全に思惑は外れて不況はさらに深刻化しそうというんだからバカバカしすぎて話にもならない。
 今回の空爆で、危惧された通りアフガン市民どころか国連系のNGO(非政府組織)の現地職員にまで犠牲が広がり、カブールの病院まで爆撃されたとの情報もあり、事態ははやくも泥沼化の予感だ。今回のアメリカ/イギリスのやり方にはほとんどのイスラム教徒が猛反発していて、ラディンのジハード宣言に呼応する構えを見せ、はやくも第5次中東戦争どころか欧米対イスラムの世界を割った一大戦争の危険性が出てきた。アメリカに全面追随しているパキスタンでは親タリバンの反政府運動が活発化しているらしいし、これにアメリカが介入するようなことがあると戦火はアフガニスタンからパキスタンまで広がる。もはや行き着くところまで行かないと事態は解決しないのか。

 そんなあわただしい状況で、ほとんど一睡もせず神戸出張、チキンジョージというライヴハウスでミッシェルガン・エレファントのツアー取材。髪が伸びてオールバックができなくなり、前髪を垂らしたチバユウスケは少し若々しく見えたが、「アメリカは愚かだねぇ。戦争のない星に行きたいねぇ」と客席に向かって喋っていたのには、少し驚いた。チバがライヴのMCでこんな意味のあることを喋ったのは初めて見たし、歌詞も含めこれだけ明確なメッセージを口に出したのは前代未聞じゃないだろうか。