2001年1月3日(水)

 映画『バトル・ロワイヤル』を見に行く。原作を読んだのはずいぶん前のことなので詳細は覚えていないが、かなり面白かった記憶がある。監督は『仁義なき戦い』の深作欣二で、ぼくのもっとも好きな監督のひとり。だがこの映画化の話を聞いて「ええ〜?」と不安に思ったのはぼくひとりではないだろう。いくらなんでもすでに還暦を越えたご老体に、原作のテーマを消化することができるのか。だが結論から言えばそれはまったくの杞憂で、非常に面白かった。
 42人の中学生が殺し合うという設定だが、『仁義なき戦い』のように、若者たちの無益な戦い、殺し合いを描かせると、さすがにこの人はうまい。それだけでなく、いろいろなところで監督が語っているように、自らの戦争体験や昨今の社会状況を原作のテーマにうまく重ね合わせ、監督自身のモチベーションが非常に高まった状態で作っているため、ここ数年の深作作品ではもっともテンション高く仕上がっている。原作では42人の生徒それぞれのキャラクターやエピソードが丹念に描かれているが、2時間弱の映画ではそのあたりの描き込みはさすが不足気味。その時間内に41人が殺されるわけだから緻密な性格描写なんて不可能で、展開がやや駆け足な感じになってしまったのは否めないが、そのぶんスピード感や瞬発力はすごいし、原作にないビートたけしの教師役も圧倒的な凄みを出している。一緒に見に行った原作未読の友人も面白かったと言っていた。最後に出てくるたけし画伯の絵も無気味。ただし音楽の使い方はヘタ、というかセンスが古臭い。このへんは監督の年齢を感じるところだ。
 ビデオで出すときは2時間半ぐらいのロング・ヴァージョンで収録して欲しいとこだが、ちょっと無理かなぁ。登場人物の爆弾製造マニュアルが「腹腹時計」だったのは笑った。


 満員の映画館は中高生らしき若者が大半だったが、映画が始まってしばらくペチャクチャおしゃべりしていた隣席の女子高生が、凄惨な殺戮シーンの連続に、気おされたように黙り込んでしまったのが面白かった。