2000年3月9日(木)

 外苑前のキューン・ソニーでポリシックス・ハヤシ君の取材。メジャー・デビューということで取材の数も増えてるみたいだが、素直で率直な態度は変わらない。受け答えにも自信が出てきたみたいだ。なんせまだ21歳、いろんな意味で伸び盛り、変わり盛りである。4月にシングル、あともう1枚シングルを出して夏ごろアルバムの予定らしい。

 帰りにレコファン、ユニオン、タワー、HMVなどを回る。10日のイヴェントでかけたいと思った何曲かのCDを持っていないことに気づき、これを機会に揃えておこうと思ったのである(DJ用ならアナログの方が使い勝手がいいに決まっているが、ぼくはめんどくさいので今回はCDのみでやる予定)。こういう言い方をすると傲慢に聞こえるかもしれないが、ことロックに関しては、心底欲しい、あるいは必要と思ったものに関しては、だいたい持っている。それはそうだ。30年間レコードばかり買い続けてきたんだから。ただしアナログで持っていてもCDではまだというものが多く、アナログの大半は物置の奥で埃をかぶっていることを考えると、CDで買い直しておくに越したことはない。とは言っても、いざ買い換えてみても実際に耳を通すことはあまりない。内容が頭に入っているということもあるが、毎日試聴用で到着したり輸入盤で入荷する新譜を追いかけるので精一杯で、とても旧譜まで耳を通している時間がないのだ。だからときどき音楽業界でない人が「最近昔の××をよく聞き直して、いろいろ新しい発見があった」などと言っているのをみると、うらやましいと思う。まぁ仕事になれば耳を通すけども、よほど好きなアーティストでない限り、CD化された旧譜を買っても封も切らずにそのまま、というケースが多い。もちろんアナログを持ってない人のは聞きますけどね。

 ただ最近はリマスター再発というのがはやりで、これは割とぞんざいにCD化された過去の作品をきちんとCD用の音質に調整して、いい音で聴けるようにする、という意図ではあるんだけど、その裏には低迷するばかりの旧譜の需要を掘り起こそうとするレコード業界の思惑も関係している。アナログからCD化のときの買い換え需要でレコード業界はかなり潤ったはずだからだ。次の機会というとCDからSACD、あるいはDVDオーディオへの切り替えだが、アナログからCDのときは使い勝手やスペース効率の飛躍的な向上という要因があったが、CDからSACD、あるいはDVDオーディオの場合、音が多少よくなるという以外にあまりメリットはないので(旧譜の場合)、それほど大規模な買い換え需要は起きないと見ている。

 で、リマスターCDなんだけど、最初からCD用にリマスターして再発したなんて例はほとんど聞いたことがないから、そのCD化の大半はアナログ用のマスターをそのままCD用に流用していたはずだ。それをCD用に音質調整し直して再発するのがリマスター再発である。つまり2回CD化されるわけで、これがどういうことかといえば、熱心なファンほどCD化されれば真っ先に買うだろうし、リマスターされてまた買うとなれば、2重の出費を強いられるということ。おまけに最近はボーナス・トラック入り再発とか紙ジャケ再発とか次々と仕様を変えて出るから、熱心なファンであればあるほどバカを見る仕組みになっているということだ。なんだよ、こんなにボーナス・トラックがついてリマスターまでされるんなら買い控えれば良かったと悔やんだ人はたくさんいるだろう。ザ・フーの一連のCD化なんてまさにそれ。まぁレコード会社もマニアが何度も買うことをアテにして企画してるんだろうが、その都度買わされる方はたまったもんじゃない。シェア・ウエアみたいに無料でヴァージョン・アップしてくれればいいのに。

hermitofminkhorrow 最近発見して驚いたのがトッド・ランドグレンのリマスター再発で、トッド自らが当時の状況を語りおろしたインタヴューなんかも入っている。とりあえず最愛の1枚である『Hermit Of Mink Horrow』だけ買ったのだが、確かに音はクリアになっている。でもこれから全部買い直さなきゃならないのかと思うとかなり腰が引けている次第である。

 americanband

 この日も、こんなものがリマスターされてるよ、みたいなのがいくつかあったのだが、個人的な発見はこれ。言わずとしれたかってのアメリカ・ハードの最高峰グランド・ファンク・レイルロードの『アメリカン・バンド』のリマスター再発である。オリジナルのLPジャケを再現したという触れ込みで、画像ではわかりにくいと思うが、ピカピカに輝く金色の紙ジャケはなかなかきれい。で、このあたりがアメリカ人のダメなとこなんだけど、ボーナス・トラックはなし、ライナーなどブックレットも全然なし、代わりに入っているのがバンドのロゴ・ステッカーが4色分入ってるだけ。もしかしてオリジナル・アナログの米盤にも入っていたおまけなのかもしれないが、価格だって米盤の割に高いんだし、もう少し資料面を充実させたってバチはあたらんだろう、とは思う。まぁグランド・ファンクのファンはそんなもの求めないってことなのかもしれないが。オレも当時はただのバカなハード・ロック少年だったからねぇ。25年ぶりぐらいに聴いたグラファン、かっこよかったスよ。

 中古は1枚だけ(いざなにかを探そうと思うと、やはり中古盤屋はあてにならない)、残りは全部新品で、全部で22枚、購入総計は37716円。1枚あたり平均は1700円強。さすがに米盤の再発ものは安い。ふだんヨーロッパ盤の新品(テクノは多いですね)なんか買ってると、へたすりゃ同じ総計で半分しか買えなかったりしますからね。さて、このうちの何枚をRESPECT!で使うことになるか。つうか、何枚に実際耳に通すか(全部アナログで所有済)。さぁ、選曲しなきゃ。

 ということで、いよいよ今晩ですよ。六本木・パラノーマルでお待ちしてます