3月24日(金)

 もうすぐなくなってしまうという川崎クラブ・チッタに久々に出向き、米ヘヴィ・バンド、マシーン・ヘッド来日公演。
 前座はアップ・ホールドとユナイテッド。アップホールドは最初はカッコイイと思ったが、途中からダレた。ユナイテッドは、実はこの日の3バンド中一番良かった。ベテランらしく演奏はきわめて安定しているのだが、ぼくが気に入ったのは、自分たちのことを茶化してしまえるようなある種のシニカルでクールなユーモア感覚を持っている点。小太り、小柄のヒゲ面でむさくるしい長髪(notロン毛)の男がベーシストでMC役もやるのだが、その、どうみてもかっこよくない男が長髪を振り乱してギンギンのヘヴィ・メタルをやる、というシチュエーションの、ある種の馬鹿馬鹿しさを自覚していることがよくわかったのである。「はやくやれ〜〜」とわめく客に「おっさんに無理を言うんじゃない」といなしたりね。
 それに比べマシーンヘッドは、いい意味でも悪い意味でも、いわゆる「ヘヴィ・メタル」の枠を脱しきっていない。自己を対象化する視点がないのだ。インタヴューでの印象からすると意外なぐらい熱く客席を煽ったりするのだが、どうもそれが型にはまっていて、「東京は最高だ」みたいなことを言うんだけど、おめえどこでもそんなこと言ってるんだろ、という感じ。バンド、というかアーティストのスケールも、大きなクラブが相次いでオープンした今となっては意外にこじんまりとしているように見えたクラブ・チッタにふさわしくこじんまりとしていた、と言っては言い過ぎか。ヘヴィ・メタルにはある種の覚醒したユーモア感覚が欲しいし、生真面目にやるならメタリカぐらい問答無用に圧倒的にやってほしい。マーン・ヘッドにはその両方ともないのだ。