2000年3月16日(木)

kouchi 朝6時45分に起床、高知出張。出張の目的はギターウルフのライヴの取材である。地方のライヴの模様を取材することはときどきあるが、なぜウルフとは縁もゆかりもない高知なのかといえば、高知はとりわけウルフ人気が高く、盛り上がるからだとか。小学校のとき愛媛の松山に2年ほど住んでいたことがあるが、高知に足を踏み入れたのは初めてだ。
kouchi2 直行便がとれず、大阪・伊丹経由で午後2時に高知に着く。とにかく日差しが強く空気が澄んでいる。気温20度だそうで、すでに初夏の陽気だ。町中には椰子の木も並び、完全に南国の雰囲気である。はやめに着いたのでホテルの近くにあった高知城を散策したりして時間をつぶし、5時ごろ会場入り。
 会場は地元の楽器店併設のライヴハウス、キャラバンサライで、百人も入れば満員になりそうな小さな場所。「キャラバンサライ」という名は、もちろんグラミー9冠サンタナのアルバム・タイトルからとったのだろう。まだできて間もないきれいな小ホールである。壁にはこれまでここでライヴをやったアーティストのサイン色紙が飾ってある。なかには楽器店主催のドラム・クリニックの講師で来たらしいカーマイン・アピスの色紙もあった。インフィメーショlivehouseン・ボードには元Xジャパン・トシのアコースティック弾き語りライヴの告知チラシも貼ってあった。う〜〜ん、地道に頑張っているようです。
 まだ全ツアーの1/3程度しか消化していないウルフの連中はもちろん絶好調。楽屋に顔を出すと例によってビールやウイスキーをがんがん煽っていて、とてもライヴ前の雰囲気ではない。今日は前座が3バンドも出るので、なかなか賑やかだ。
 1番目に出たバンドはあまりおもしろくなかったが、2番目に出たナントカという(すいません、名前ド忘れしました)女の子4人バンドはポップで可愛かった。

東京ロマン楽団のアルバム。ちょっとルースターズっぽい
roman

 そしてその次に出た東京ロマン楽団は、なかなか緊張感のある尖った演奏ぶりで、かっこよかった。ギタリストは鮎川誠や花田裕之に通じるキレのいいガリガリのプレイで際だっていた。ヴォーカルも存在感あり。
 ギターウルフはまぁ、いつもの通りの内容、テンションであった。彼らの場合、音程がどうとかリズムがどうとかチューニングがどうとか音響がどうとか、声が出てるとか出てないとか、そうした従前の「いいライヴの基準」なんて一切関係なくて、要は気合いの入った演奏になるかどうかだけ。そして、どんな場合でも彼らが気合いの入らない演奏をやるはずがない。要はいつものようにギターウルフらしくやってくれればそれですべてOKなのである。そしてもちろん、この日の彼らもOKだった。
 ライヴ後は当然打ち上げ、酒宴である。さすが大酒飲みの土地柄らしく、宴会の盛り上がりも並ではないようで、言っちゃ悪いがいち地方都市のライヴの打ち上げに、なんでこんなに出席者がいるんだという大人数。50人以上はいたんじゃないか。マネージャーによれば「セイジさんは高知にはライヴしにきてるんじゃないですからねぇ」という。なんでも高知の大酒のみの友だちと潰れるまで飲むのを楽しみにしているらしい。
 ところが1次会終了後、2次会の途中でその友だちが帰ってしまったらしく、死ぬまで飲むつもりでいたセイジ氏は不完全燃焼気味。代わりにぼくが標的になって?、テキーラの一気飲みをやったりしたがいまいち盛り上がらない。

帰りのラーメン屋で、
キューンソニー鍵尾さんとソニーマガジンズ矢隈さん
yagumakagio

 おもしろかったのが、いろいろな友だちに紹介してくれるとき、必ず「友だちの小野島さん」という紹介の仕方をするのである。「ライターの小野島さん」という言い方は決してしない。レコード会社のプロモーターや担当編集者も同席していたのだが、彼女たちに対しても同様だ。つまり彼らにとってわれわれは仕事上のつき合いというより「よくライヴにきてくれて、話を聞いてくれる友だち」という存在なのだろう。もちろんそれが不快であるはずがない。人間同士なんだから、仕事だけの表面のつき合いなんておもしろいはずがないからだ。もちろん友だちつき合いするメリットもデメリットもあるんだけどね。
 前後不覚になることも覚悟しての高知の宴会だったが、いまいち飲み足りないまま、最後は屋台のラーメンでしめて4時半ぐらいにホテルに帰る。