4日(木)

 銀座のヤマハ・ホールで『太陽は、ぼくの瞳』試写会。『運動靴と赤い金魚』でモントリオール映画祭のグランプリをとったイランのマジッド・マジディ監督は、この作品で2度目の同映画祭グランプリを獲得している。その『運動靴と赤い金魚』は見ていないが、これは文句なく素晴らしい感動の名作でありましょう。
 イランの小さな村で生まれた盲目の少年と、その父親を巡っての話で、実際に目が不自由な主演の少年(モフセン・ラマザーニ)の純粋でけなげな、演技というにはあまりにいたいけな存在感が話題となるだろうが、家族を思いやりながらときに息子の存在をうとましく思い懊悩する父親(ホセイン・マージゥーブ)の陰影に富んだ演技がまた(同じ中年男としては)泣ける。演出・脚本とも簡潔にして要を得ており、明るい希望と愛に満ちた前半部と、苦悩と葛藤にもがく後半部、そして怒濤のようなクライマックスの展開と、構成も見事。イランの片田舎の美しく雄大な自然描写も見ものだ。子供が出てくる映画ってあまり好きじゃないんだけど、これは登場する子供たちの笑顔がどれもほんとうに邪気がなく優しく可愛らしい。『ストレイト・ストーリー』と並んで、この春のおすすめです。