2000年2月29日(火)

 横浜アリーナでオアシス。前回の来日公演を見逃していて、確か初来日のとき以来である。しかし、あまり変わっていないというか、進歩のないバンドだなと思った。というか、このバンドの強みはよい声をしたヴォーカリストとよいメロディ、それ以外はなにもない、という気がする。そして、そうした自分たちの強みを効果的に生かしていこうという気も能力もなさそうなのだ。少なくともノエル・ギャラガーを始めとするバンドの連中はアレンジのセンスも、演奏家としての技量も十人並み以下でしかない。リズム・アレンジは変化に乏しく、どれも似たようなテンポとリズム・パターン、しかもどの曲も同じようにただエレキを掻き鳴らして分厚い音の壁で圧倒するだけで、緩急つけるとか音を抜くとか余韻を生かすとか、そういう工夫がまるでない。つまり彼らの音楽に変化をつけるのは歌メロだけなのだが、リアム・ギャラガーはいい声はしているもの、パフォーマーとして同じ曲でもそのときそのときに応じてちがうイメージを立ち上がらせるような即興的な跳躍力に富む方じゃなく、決められたメロディを律義に再生するだけだから、メロディの行方がわかってしまうと、途端に飽きがきてしまうのだ。もちろん「素晴らしいメロディがあるんだからそれでok」という立場もありなんだけど、それを充分に生かしているとはとても言い難い。たとえば「スタンド・バイ・ミー」の、決めのリフレインの部分でギターを弾くのを辞めて、手拍子をとって観客に合唱させるとか、そんな演出ひとつで何倍も感動的なライヴになるのに。緩急をつけるとかメリハリを利かすとか間を生かすとか簡潔にとか、そういう言葉はこの人たちの辞書にはないのか。