9日(日)

 銀座でうち合わせがあり、その帰りにシネパトスで『トゥルー・クライム』を見る。クリント・イーストウッド主演・監督のヒューマン・ミステリーもので、ハナシはかなりご都合主義的な感じだったが、演出の巧みさと演技の達者さで、それなりに面白く見られた。最高なのはイーストウッドのキャラ設定で、女と酒で身を持ち崩しているベテラン新聞記者役。見た目60過ぎのじいさんで妻子持ちにも関わらず、同僚・上司の女房と誰かれ構わず女を口説き回る。ジャーナリストとしての腕と勘は確かで同僚からは一目置かれているが、周りの状況を考えず独断専行するきらいがあり、上司にはうとまれている。イイ年こいてセクハラすれすれの言動であらゆる女にコナをかけているが、決して嫌われない。イーストウッドはもうシワとシミの目立つ老人なのだが、そんなしみったれたみじめさや醜さは全然なくて、実にかっこいい。年寄りだけどしぼんだ感じはまったくない。生臭いけどギトギト脂ぎった感じでもない。スケベでアル中だけど愛嬌があってイヤらしくない。うう〜〜〜ん、これはある意味でオトコの理想だなぁ。最高だったのは、聞き込みにいったコンビニで、マライア・キャリーのできそこないみたいなムチムチのねえちゃんをついつい目で追ってしまうというシーン。こういうことがサラリとイヤらしくなくできるのは、イーストウッドならではだ。今の日本人俳優では無理だろう。年取ったらこんなおいぼれになりたいものだとつくづく思いました。