8日(土)

 ベイNKホールでケミカル・ブラザーズ。首都高が大渋滞してて、着いたのは開演後30分ぐらい。

 会場に足を踏み入れた瞬間、あまりの大音量にたじろぐ。ものすごい音圧そして音響だ。いや、単に音が大きいとかやかましいというだけでなく、ぼくがこれまで見た(聴いた)ライヴのなかでも、間違いなく1,2を争う音の良さだった。比喩でなく音が風圧、そして地鳴りとなって迫ってくる。それでいて歪みっぽいとこは全然なく、クリアかつスムーズ。まさに音響の快楽である。同じような会場で見たWIREと比べても気持ち良さが全然ちがう。以前ファンタスティック・プラスティック・マシーンの田中知之が、ケミカル・ブラザーズはものすごい金と手間ヒマをPAにかけていると言っていたことがあったが、なるほどこういうことかと初めて実感した。ほかのロック・バンドがステージ・セットなどに金をかけるぶん、ケミカルは音響に労力を注ぎ込んでいるんだろう。おそらくこの音はリキッド・ルームやブリッツなどでは出せないはず。NKという大ホール(アリーナ)クラスの会場でなければそこまでPAに金をかけることはできないのではないか。音楽的にも今回のケミカルは完全に個性を確立した感があるが、ここまでくると音楽スタイルうんぬんはあまり関係がなく、ただカラダ全体を揺すぶられるような音響の愉悦に身を任せるのみである。まさにPAの勝利。テクノが金持つとこうなるという見本であった。