20日(木)

 恐怖の取材3連発。
 まずは2時に渋谷のミュージックマインでコールター・オブ・ディーパーズのナラサキのインタヴュー。いきなりご本人が30分の遅刻でやや焦り(^^;)。3月8日に新作『Come Over To The Deepend』がZK/クラウンから発売されるほか、ナラサキの参加した大槻ケンヂの新バンド「特撮」のアルバムも出る。もう長いキャリアを持つバンドだが、ニュー・ウエイヴとデス・メタル、90年代オルタナが融合したような音世界で定評がある。淡々とした話ぶりでそのフィロソフィーを語ってくれた。終了は3時20分。

 次は3時半に外苑前のワーナーでスチャダラパー。電車では間に合わないのでタクシーで。ところが道が渋滞でまた焦り(^^;)。ギリギリに到着するが結局写真撮影が長引いていて、待機となった。待ち時間中に偶然通訳の河原雅子さんに久々に会う。ぼくはこの人の正直で、竹を割ったような性格が大好きである。そのむかしリー・メイヴァーズのLA’Sの取材で、メイヴァーズが無礼な態度でぼくを挑発してきたとき、ぼくより先に河原さんの顔色が見る見る変わったのをよく覚えている。あとで「オレの訊き方が悪かったのかなぁ」とこぼすと「ううん、大ちゃんは悪くない!」と憤懣やるかたない様子でプリプリに怒っていたのが、なんだかとても頼もしく思えたのであった。もちろん仕事もできる人で、このサイトに掲載しているニック・ケイヴの取材は厳しい時間制限の中だったが、河原さんの完璧な仕事ぶりでいいインタヴューとなった。

 そうこうしているうちにスチャが到着。やはり30分遅れの4時に取材開始する。以前取材したのはもう7〜8年前になるが、初対面はインディーのファーストが出たころである。ぼくはそのとき某誌でインディーズ・アーティストを紹介するページの編集を請け負っていて、まだメジャー・デビュー前でビンボーだった石野卓球をライターとして起用していた。そのとき石野が「こんなおもしろい連中がいる」と紹介してくれたのがスチャだったのである。つまりぼくが編集、石野がライター&インタヴュワー、スチャがインタヴューイという空前絶後の組み合わせだったのだ。スチャは電気の前身である人生のころからの石野のファンだったという。
 7〜8年ぶりの対面だったが、スチャはそのときのことも、ぼくのこともよく覚えていてくれていて、久々のインタヴューはスムーズに進んだ。以前の彼らは、質問を投げかけても、インタヴュワーに対して答えるというより、その質問をネタにした雑談をメンバー同士でペチャクチャ喋るだけといった、いかにも人見知りする若者だった。まぁ今回も多少そういうとこは残っていたが、さすがに受け答えなどは年齢なりの落ち着きがあって、好感度高かったです。彼らももう30歳だからねぇ。
 彼らは5月に新作アルバムを出す予定で、デ・ラ・ソウルのトゥルゴイやビースティーのアドロックとのコラボレーションも含まれている。今回の取材は2月に出すアナログ・12インチのためのもので、トゥルゴイのプロデュース曲が収録されている。インタヴューの内容も面白かったが、なかでもドラゴン・アッシュについて尋ねたとき「……まぁ、いいんじゃないですか、ラップっぽくて(笑)」(シンコ)という答えが面白かった。ちなみにコールターもスチャも『uv』誌に掲載。

 4時50分に取材は終了。5時から、同じビル内のイーストウエストでエイジアン・ダブ・ファウンデーションの取材である。だが前の取材が遅れ、始まったのは結局5時30分ぐらい。新作『コミュニティ・ミュージック』は3月8日発売だが、そのプロモーションのための来日である。受け答えしてくれたのはヴォーカルのディーダー(21歳)とDJのパンディット−G。いや〜〜〜ふたりとも喋る喋る。ひとつの質問に対して15分間喋りっぱなし。立ち会ったミュージックマガジン高橋修編集長、通訳の前むつみさんともども苦笑。話はかなり面白かったのだが、なにせ延々と熱弁をふるううち、いつのまにか質問に対する答えというより自分の喋りたいことを演説しはじめて、話はどんどん脱線していく。おかげで用意してきた質問の1/3も訊けなかった(苦笑)。ディーダーとパンディットは弟と兄という感じで、すごく仲がいい。ディーダーはステージから受ける印象通り、とにかく明るくて元気一杯で、エネルギーが有り余っている感じ。数日前に来日して、インタヴューはこれで18本目だったらしいが、そんな疲れなど微塵も見せない。見ていて痛快なほど気持ちいい若者だった。好感度めちゃ大です。取材終了は6時40分過ぎ。

 こうして地獄の一日は終了。まぁ事前に案じたほどメロメロにはならなかったが、やはり取材は1日2本が限度だろう。なんで一日に集中するかなぁ。

 帰りにタワーに寄って、例のフラッシュディスク・ランチのCDソフト・ケースを購入。帰宅して早速入れ替えてみる。一番所有枚数の多いストーンズ関係から始めるが、全部を入れ替える前に50枚入りのパックがなくなってしまった。確かにスペースは有効利用できる。棚4段使っていたストーンズ関係も、2段強まで圧縮できた。全部入れ替えていれば――もちろんブックレット型のCDや特殊ケースは入れ替え不可能なので、謳い文句のように単純に1/3のスペースに圧縮できるわけではないにせよ――半分以下になったはずだ。
 プラケースをばらし、CD盤やブックレット、バック・インレイなどを取り出し、ソフトケースに全部入れ替えるのに2時間。1枚あたり2〜3分かかる計算だ。まぁ慣れれば1分ぐらいでできるようになるだろうが、それにしても1時間はかかる。50枚で1890円だから、1枚あたり38円弱。1000枚なら38000円。決して安いとは言えない経費がかかるし、入れ替えの手間も膨大だ。すべてのコレクションを入れ替えることは事実上不可能だろう。また工夫はされているものの、やはり視認性はかなり落ちる。アルバム1〜2枚しか出していないようなアーティストまで入れ替えたら、かえって検索が困難になる。コレクション数の多い(最低でも10枚ぐらい)アーティストのCDをまとめて入れ替えるのが関の山だろう。また、ケースの横幅がバック・インレイのサイズぎりぎりで、慣れないうちはすごくやりづらい。
 タワーにはアメリカ製のソフト・ケースも売っていて、そっちは50枚2800円。価格がかなり高いので比較の対象にはしづらいが、今度そっちも試用して、報告します。

 それから、21日の更新分をもって「ノブユキのワールドツアー」は連載終了である。ノブユキさん、ありがとうございました。そしてご苦労様でした。愛読いただいた読者の方もありがとうございました。ぜひ感想等を掲示板やメールなどでお寄せください。とにかくプロのライターの顔色をなからしめる取材量と着眼点の鋭さ、観察眼の確かさ、そして熱意であった。このまま単行本にしても「使えるガイドブック」になったのではないかと思う。かさねて、ノブユキさんに感謝。

 犬の症状は依然変化なし。