21日(火)

 saeki

 渋谷で音楽ライター本企画のため、サエキけんぞう氏と対談。サエキさんはもちろんハルメンズやパール兄弟でおなじみのミュージシャンだが、音楽ライターとしても活躍されている。大瀧詠一や近田春夫もそうだが、いわば双方の立場が理解できる数少ない人材であり、本のテーマをはうってつけの方ということで、対談(取材)を申し込んだところ快諾していただいた。興味深いお話をたくさんお聞きすることができた。

 取材終了後にサエキさん、「小野島さんに会うと翌日写真入りで紹介されちゃうって評判ですよねぇ」とおっしゃるので、ご期待に応えパチリ。

 解散後、渋谷の輸入LD/DVD専門店SALEに赴き、『愛のコリーダ』(大島渚)『殺しの烙印』(鈴木清順)のDVDを購入。後者は一連の黒澤作品をリリースし、画質に定評のあるクライテリオン版で、監督のインタヴューが特典映像で入ってる。前者は画質は並み以下、特典もないが、なにしろ世界的な一流監督が撮った初のハードコア・ポルノである。日本でノーカット版が発売されることはおそらく永遠にないので、多少高かろうが輸入盤を見つけたら即買いである。もちろんノーカット。『マトリックス』LD/DVDにも心惹かれるが、日本盤発売までガマンガマン。

 実を言うと、『愛のコリーダ』っは、公開されたときにロードショーに行って以来一度も見ていなかった(だからノーカットのフランス版を見るのも初めて)。公開時は、同じ阿部定事件を扱った日活ロマンポルノの『実録阿部定』(田中登監督・宮下順子主演)のほうがはるかにいいと思っていたのだが、『愛のコリーダ』も傑作と認識を新たにした。主人公ふたりのセリフや行動がいちいちリアルで濃密。息苦しいほどである。とことんドロドロになるまで愛し合ったことのある人なら、よくわかるだろう。大島渚、脂が乗りきっていたころの名作だ。これに比べると『御法度』が緊張感を欠いているのは明らかだと思う。でも巷のプロパーの映画評論家や映画記者の評はみな及び腰で奥歯にモノがはさまったように曖昧。まぁ天下の大島渚を正面切って批判できる人はなかなかいないだろうけど。