19日(日)

 原宿ラフォーレミュージアムで、カルロス・ヌニュス。スペイン・ガリシア地方のケルト音楽家の初単独来日公演である。ドーナル・ラニーらもゲスト出演したこのライヴ、予想をはるかに上回る素晴らしいものだった。スペイン伝統音楽とケルト文化を非常に深いところで融合させ、かつヨーロッパ土着のワールド・ミュージックとしての広がりが鮮やかだったアルバム『アモーレス・リーブレス』以上に、アルバムは祝祭的な気分を存分に放っていた。アカデミックな知識欲ではなく沸き立つような祭りの楽しさに刺激され、思わずカラダが動き、手拍子をとりたくなる。当たり前のようだが、もう何千回もライヴを見てきて、何の打算もなくごく自然にそんな気分になることはきわめて珍しいことなのだ。ガイタ(バグパイプ)をまるでギター・ヒーローのごとく弾きまくるカルロスは、明らかにロック世代のミュージシャンだろう。彼を含めメンバーそれぞれ結構テクニックを披露するような場面はあるにも関わらず、決してイヤミなものにならず、村の力自慢の力比べを見ているようで微笑ましかった。バラードも干し草の匂いが溢れるような素朴で清純な響きがあった。2日あった東京公演のうち2日目だったが、両方行った人によればこの日の方が断然良かったらしい。昨日のアート・リンゼイも一日2回公演の1回目(ぼくが見た方)が良かったようだし、ラッキーじゃん。カルロス氏の額の生え際はかなり後退していて、頭の上の方は写してないアルバムのジャケはちょっとずるい(笑)。ヴァイオリンの女の子が可愛かった。