18日(土)

 渋谷クアトロでアート・リンゼイ。これがもう、最高。ブラジル音楽をベースにしたゆったりとしたグルーヴ、アコースティック・ギターの柔らかな響き、リンゼイの脱力系のヘナヘナ・ヴォーカルなどを切り裂くように、ご本人の弾く鋭角的なノイズ・ギターがガリガリと切り込んでくる。そのコントラストの鮮やかさが最高にクールでかっこいい。ヘラヘラ笑いながら「コンバンワー」などとマヌケなMCをかますのに、いざギターを弾き出すと、コレデモカとヤスリをこすりつけるような刺激的な音色とフレージングで圧倒する。優美で微温的なサウンドスケープを、凶器のようなギター・プレイがぶっこわしていく。そのスリル。さっすが元DNA。さっすが元ノー・ニューヨーク。嫌いな人はそこがいやなんだろうけどね。しかしDNAのように解体されバラバラになってしまうのではなく、最終的にはきちんとポップ・ミュージックとして収束していくあたりが、99年なのだ。秋にやった取材で「新作はライヴとレコードのギャップを埋めたかった」と話していたが、なるほどこの演奏なら納得できる。完成度は圧倒的に高いが、優等生的模範的美人でも見てるみたいで全然面白味もスリルも感じないカエターノ・ヴェローゾなんかの百倍はいいと思う。まぁブラジル音楽の専門家がどう思うか知りませんが。ちなみにアンコールではそのカエターノの曲をやってたが、これまた鳥肌モンのかっこよさだった。いまんとこはこのコンサートが今年の1番かな。

 一旦帰宅して、出直し。オン・エア・イーストでオーディオ・アクティヴ。会場に着いたときにやっていた1945というユニットはまるでピンク・フロイドみたいなプログレ音響ダブで、かなり面白かった。オーディオ・アクティヴはまたさらにスケール・アップしていてびっくり。夏のツアーのころとはメニューを入れ替え、レゲエ色は薄れたがより一層ノイジーに、ラウドに、アグレッシヴになっていた。とにかく自然にカラダが動く。さして声量もなく音域も狭いマサが踊りながら歌うと、そこにはなんとも抗しがたいオーラが漂い、会場は興奮のルツボに叩き込まれる。これがカリスマ性というやつだろう。かっこよかった。