17日(金)

 六本木WAVEの閉店セール。LD新品が驚異の7割引きのほか、DVD、CDなども2割引。セール開始から10日以上たっているので、おいしいとこは売り切れてるんだろうが、ATGのLDボックスセット3枚組18000円が5400円のほか、デヴィッド・フィンチャー『ゲーム』、スパイク・リー『ゲット・オン・ザ・バス』などガシガシ購入。時間がなくCDコーナはざっとしか見られなかったが、あまり食指を動かされるものはなし。

 サラリーマン時代からWAVEには仕事の面でもレコード購入の面でもミニコミ時代のNEWSWAVEの販売の面でもお世話になった。いまでもタワーやHMVの一山いくら方式よりWAVEのスノビッシュだがマニアックなこだわりの方が好ましく思える。思えばそうした外資系の大型店ができるとき、WAVEは現場店員の草刈り場になってしまい、優秀な人がどんどんタワーやHMVに引き抜かれたりしてた。思えばそれがWAVE凋落の遠因でもあったろう。80年代の西武セゾン文化の拠点が、2000年代開幕とともに消える。時代の移り変わりを感じる。

 渋谷駅前にオープンしたTSUTAYAも見学。とにかくびッくりするほど大きくて目立つビルである。セルCDもあるがいかにもとってつけたようで、これじゃみんなHMVに行くだろう。やはり目玉はレンタル/セルのビデオである。あまりゆっくり見る時間もなかったが、品揃えは期待したほどでなく、ぼくにとってはわざわざ近隣の三軒茶屋店をすっとばしてまで借りにくる価値があるかどうかは疑問。まぁ学生や勤め人で渋谷を経由する人にはいいだろう。セルDVDはセールでもやってるかと思ったが、期待はずれ。

 夜は青山のキューン・ソニーで電気グルーヴの取材。新作『VOXXX』は初期のころのようなナンセンス路線が完全復活した問題作(オレ的には傑作)だが、単純な原点回帰ではなく、シリアス路線時代という蓄積があってこその成果であり、初期のころとは深みも幅も奥行きもちがうはず、という当人の弁。初期のころは音楽的に正当に評価されてないという一種のコンプレックスもあり、その反動で『ビタミン』以降のシリアス路線は展開されたわけだが、音楽的な評価も得たいまなら、こういうナンセンス路線もただの色物とはとられないはずだ、という思いもあるようだ。今回のアルバムのキーポントや<声>と<言葉>であり、それこそがソロではできない電気グルーヴならではの個性なのだ、というような話も出た。とにかく上機嫌、というより、過去どのアルバムのときよりもコンセプトもテーマも明確で、やりたいことがこれほどはっきりしているのも珍しいのではないか。自信満々、というところ。もちろんお気に入りのアーティストのそういう姿を見るのは気持ちがいい。詳しくは『uv』次号で。


 ところで彼らは昨日のライヴに女性客が多かったことにえらく感激していて「むかしは女の客はいやだったけど、いまは若い女の子にちやほやされるのは嬉しい」とオヤジ丸出しの発言が出た。「君らのファンじゃなく小山田君のファンなんじゃないの」と茶々を入れると鳩が豆鉄砲を食らったような表情になり、「せっかく喜んでるのにそんなはっきり言わなくてもいいじゃないか」と返してきたのは笑っちゃった、悪いけど。ほんとに女性ファンが増えたかどうかは3月からのツアーではっきりするでしょう。女性ファンのみなさんはぜひ行ってあげてください。そういえばコーネリアス大好きって女性タレントや女性アーティストはたくさんいそうだが、電気グルーヴ好きっていう人は全然いないそうで、10年やっててコンサートに女性タレントの類が来たことは一回もないそうだ(唯一、乾貴美子だけ)。電気ファンの女性タレントのみなさん、別にとって食ったりしないので、ぜひコンサートに行ってあげてください。また、ここ最近電気グルーヴはファンレターの類が全然こないそうで、本人たちはいささか(冗談めかしてはいたが)寂しがっているようでした。心優しいファンの方は、ぜひファンレターを出してあげてください。

 今日の会話:
石野「椎名林檎って、メスを売り物にしすぎてるのが、どうもねぇ」
小野島「でも、君らもオスを売り物にしてるじゃん」
石野「…………そうか(笑)。近親憎悪か(笑)」