4日(木)

今日会った人(『デジット』編集部・キャシー@鈴木さん/石井レネ子@石井恵梨子さん)
cathy

 ベックの新作『MIDNITE VUTURES』(11月20日発売)がようやく届く。ボアダムスのEYEがジャケットのイラストを手がけているらしい。音の方は、前評判通り、ソウル/ファンク路線。プリンスみたいという声もあるが、プリンスよりもっとオールド・スクールなタイプの黒ものだ。スライとかアイズレー・ブラザーズみたいな60〜70年代のサイケデリックで混沌とした感じに、カントリーやエレクトロ、テクノ、ヒップホップを掛け合わせてさらにかき回したような雰囲気。これこそアメリカ大衆音楽のゴッタ煮である。イレギュラーな作品である前作『ミューテイションズ』はともかく、『オディレイ』が世評ほどノレなかったぼくにとっては、これがベックの最高傑作ということになると思う。いや、実に面白い。実験的でありながらポップで楽しい。親しみやすいが媚びてはいない。冒険的だがリアリティを失っていない。見事な出来映えである。

エピックソニー・井上ヒロカズさん
inoue  金子達仁『28年目のハーフタイム』(文春文庫)読了。2年前にベストセラーとなったサッカー・ノンフィクションをいまになって手にとるのも間が抜けた話だが、ほとんど万札を崩すために買ったこの文庫本、仕事の合間をぬって数時間で読了してしまった。言うまでもなく96年夏のアトランタ五輪での奇跡の対ブラジル戦勝利をクライマックスに、日本代表チームがいかに崩壊していったかを描く実に秀逸なドキュメンタリーである。著者は最近ぴあ誌でジャンル無制限の長文インタヴュー記事を連載(月1回)しているが、ぼくが読んだ真田広之の記事は秀逸で、注目していたのだ。ブラジル戦はぼくも見たし、人並みに興奮もしたけど、こういう内情があって、それが日本サッカー界が長年抱えた苦悩であることはしらなかった。正直言ってサッカーに関しては大きな大会のときにつまみ食いするぐらいでほとんど関心はなかったのだが、なんだか猛烈に知識欲が湧いてきた。優れたドキュメンタリーはそういうものなのだ。ただ、中田のあのクールさはやっぱりあまり好きになれない。徹底的にはぐれ者、敗者、弱者に目が行ってしまうぼくは、たとえば、本書で語られる前園とか小倉とか三浦和良のような存在に目が行ってしまうのだ。しょせん浪花節なもんで。

 夜は渋谷で飲み。KORN担当ディレクター及びライナー執筆者、KORN命の編集者及びライターという、まさに「KORNをネタに飲む会」である。新作『イシューズ』(11月17日発売、ライナーは小野島)は最高ということで意見が一致したとこまでは良かったが、その後はオンナふたりの「ジョナサン命」話についていけず。アリス・イン・チェインズの魅力が全然わからんとか『危険な関係』での豊川悦司の演技がワンパターンだとかいう話をしたら、石井レネ子にケリを食らった。