25日(金)

 

 六本木のギャガ試写室で『アシッド・ハウス』。『トレインスポッティング』のアーヴィン・ウェルシュの原作をドキュメンタリー出身の監督ポール・マクギガンが映画化したもの。例によって原作は買っただけでまだ読んでません。トレスポは映画より原作の方が面白かったので、これもそうかもしれないが、映画もなかなか楽しめた、というか渡辺健吾さんによれば「原作以上にどうしようもない感じ」に仕上がっているそうだ。3話形式のオムニバスで、どれもいかにもイギリス映画らしい貧乏くさくショボくれた世界をこれでもかと展開。トレスポにあったある種の爽快感やカタルシスは微塵もなく、どこまでもイナカ臭くカッコ悪く情けない若者像が、容赦のないリアリズムとニヒリズムで描かれる。特に第2話は見ていていや〜〜な気分にさせられるが、それがスコットランドの若者の置かれている偽らざる現在像なのかもしれない。めちゃくちゃなスコティッシュ訛りは、ローカル映画であることを実感させる。この手がお好きな人はぜひ。なおタイトルは音楽のアシッド・ハウスとは関係ありません。タイトル通りの「LSDの家」ぐらいの意味。

 帰りに久々に渋谷タワーのブックフロアに寄ったら、おもしろい本を発見。いろいろなミュージシャンが、自分に影響を与えた出来事、音楽、本、映画、などを語った言葉を『ローリング・ストーン』誌のインタヴュー記事から抜粋したもの。たとえばリック・ニールセンは自分に最大の影響を与えたギタリストはジェフ・ベックであると語り、唯一気に入らないのはロクにレコードを出してくれないことだと言う。テレンス・トレント・ダービーは、2歳のとき家のまわりで誰かがビートルズの「抱きしめたい」や「シー・ラヴズ・ユー」を歌っていたのが鮮烈な記憶で残っていることを語る。ブライアン・ウィルソンは下積み時代の辛い仕事について振り返る。ジョニ・ミッチェルは、もともとヒッピー思想なんてナンセンスだと思ってて、ヒッピーの女王なんて言われるのがイヤでイヤで仕方なかったと吐く。とにかく登場するミュージシャンが膨大な数にのぼるため、ひとつひとつの発言が短く、英語が不得手でもなんとかなるし、わかんなきゃとばしたって大勢に影響ないので気楽に読める。2690円。就寝前のベッドのお供にはよさそうだ。