18日(木)

 築地のソニー・ピクチャーズ試写室で『ジャンヌ・ダルク』。『レオン』『フィフス・エレメント』のリュック・ベッソン監督が『フィフス・エレメント』のリールーことミラ・ジョヴォヴィッチを主役に起用して制作した歴史大作。映画瓦版では酷評されてたが、それほど悪い出来ではない。2時間半以上の大作だが退屈しないで見られた。そもそもベッソンにはそれほど深い思想性があったり世界観があったりするわけではなく、特殊効果をうまく使ったけれん味たっぷりの演出とか、独特の情感とロマンティシズムあふれるタッチに良さがあったわけで、この映画も見所は、たとえば教会のステンドグラスが粉々に割れてキラキラと舞い降りる際の映像美だったり、冒頭の少女時代のジャンヌの明と暗の残酷な対比といった、ディテールの積み重ねである。ベッソンらしい個性はあちこちに感じられ、この映画の場合キリスト教とか神とかいう概念が大きなモチーフになっているから、平均的日本人にはなかなかリアリティを感じにくいテーマではあるかもしれないが、しかしそれは映画を楽しむ際にはさほど大きな障害とはならないはずだ。ただ瑕疵があるとすれば、神のお告げでフランス軍を率いることになったジャンヌが、どのように兵隊たちの心を掌握したか、もう少しじっくり描き込んで欲しかったということ。ここがあっさりしているので、もはや敗退寸前だったフランス軍が彼女の登場でいきなり元気になってしまうのが、いかにも唐突に思える。