11日(木)

 半蔵門のぴあ試写室で大木裕之監督作品『心の中』。これがどういう作品なのか説明するのはとても難しい。海辺の青年ふたりに監督が問いかける。「君たちはこれから心中することになっているが、そのことについてどう思うか」。言いよどむまま、ふたりは波打ち際に横たわる。その映像に作者の心象風景や日常風景が多重露出で映し出され、作者のモノローグが訥々とオーヴァーラップする。2年以上もの歳月をかけ、全国各地で撮影された映像の断片がつなぎ合わされ、満ち潮に横たわる青年たちになにごとかを語りかける。
 言ってみれば、大学生の映画研究会の自主映画のような趣。シロウト臭いというのではなく、商業的な妥協が一切ない。実験的というよりはあまりにピュアで繊細な映像の数々。ぼくは自分の学生時代を思い出してしまった。12月1日からシネマ下北沢でレイトショー公開。