「獣の無心の食欲こそがまこと外道剣!食うように斬るッ!食って生きるごとく斬って生きる!!」
FILE#77「斬殺者」(画:小島 剛夕)

週刊漫画ゴラク連載/1971.8/19号〜1972.9/7号
●あらすじ:
若き野心家・無門鬼千代には、宮本武蔵を斬る事で自身の名をとどろかせ富みと地位を手に入れようという野望があった。しかし戦いの結果は軽くあしらわれ、逆にプライドを傷つけられた鬼千代。彼は武蔵の実力を恐れる将軍家ご指南役・柳生宗矩の策により偽武蔵として極悪非道を働き、捕らえられてしまう。その危機を武蔵に救われた鬼千代は外道剣の極意を悟り、スペインから来た司令官・ヴィスカイノに弟子入りしフェンシングを教わる事で日本刀との変則2刀流を身につけ、その力で旗本にまで出世してゆく。一方老いてゆく身を案じ、将軍家ご指南役の職に付こうとした武蔵だが、柳生の陰謀により阻まれてしまう。それを知った武蔵は激怒!柳生に果たし合いを申し込んだ。力の差を感じた柳生は、武蔵を慕うキリシタンのお吟を人質にとる。お吟を愛する鬼千代は、戦いを避けるよう武蔵を説得する。仲間を救う為に自ら捕われたお吟の無償の愛の行為に心打たれた武蔵は、柳生との試合を取り止める事を条件に、お吟を自分の故郷へ解放させる。未練と知りながら後を付ける鬼千代は、再会を喜ぶ2人に銃を向ける復讐者を見つけ思わず身を盾に彼等を庇う。深い傷を負った鬼千代の姿に、彼のお吟に対する愛に気付いた武蔵。自ら身を引く事を決めお吟に鬼千代を託すと、再び剣の道を極めんと何処となく去っていくのであった…。
●BONはこう読む!:
成人向連載漫画第2弾。時代設定ゆえにセリフの言い回し等が読みづらく、細かな背景が理解しにくいのが難点。しかし、そんな小事を吹き飛ばすほど宮本武蔵や無門鬼千代等登場人物のキャラは立ちまくっている(この2人の主人公の関係は後に「人間兇器」でも使われる)。特に印象に残るのは、(あらすじではオミットしたが)武蔵打倒の秘策を完成させながらも、策を仕掛ける暇も無く只の八つ当たりとも言える武蔵の奇襲の一撃で倒された天才美剣士・白鵬左近寺との対決場面。さも大層な前振りを見せておきながら、呆気なく(しかし面白く)展開する。これぞ梶原式作劇法だと感心した。要チェック!
●単行本:
日本文芸社刊/漫画ゴラク・コミックス全4冊(No14.18.23.25)
日本文芸社刊/ゴラクコミックス全4巻
日本文芸社刊/ゴラクコミックス全6巻(赤版)
日本文芸社刊/ゴラクコミックス全6巻(紫版)
サンケイ出版刊/梶原一騎傑作全集全5巻
講談社刊/KCスペシャル全4巻
ソフトマジック刊/マジカルコミックス上・下巻
講談社刊/講談社漫画文庫 全3巻
双葉社刊/6コインスオリジナル 全4巻
●その他:
煉獄の章/1971.8/19号〜1972.2/24号
流転の章/1972.3/2号〜6/15号
無常剣の章/1972.6/22号〜9/7号