「野球を命とし 野球を愛し 野球だけに生きてきながら 野球のやれなくなった男には… いちじの意地やメンツからやすやすと野球をすてるような バカなまねをやってのけるやつが ゆるせなかった だんじて!!」

FILE#119「巨人の星外伝 それからの飛雄馬」(画:川崎 のぼる)



週刊少年マガジン/1978年7号に読切掲載

●あらすじ:
星飛雄馬が巨人を去って三年という歳月が流れていた。今は亡き恋人・美奈の面影を偲んで宮崎を訪れた飛雄馬は、地元高校の野球部とヤクザのケンカに遭遇する。彼の機転で騒ぎは収まったが、途中駆け付けた監督は、この件が高野連に知られたら甲子園出場を辞退せざる負えないと困惑する。飛雄馬は口止めを条件に、ケンカの原因となった部員3名を除名させた。主軸メンバーを失い戦力低下に悩む監督に、高校とは関係ない「第三者」の立場で協力を約束する飛雄馬。父・一徹ゆずりの野球技術で部員を指導するかたわら、校内から新たなメンバー3名を選出し徹底的に鍛え上げる。監督をはじめ部員達は、長髪にサングラス・ずば抜けた野球センスを持ちながら5メートルもボールが投げられない謎の男の存在を訝りながらも、指導を受けるのだった。新メンバーへの千本ノックが夜まで行われた後、飛雄馬の背後にライフルの銃口が向けられた!除名された3名が、彼を他校のスパイと思い込み逆恨みしたのだった。彼等の誤解を解く為サングラスを外し、素性を明らかにする飛雄馬。野球を真剣に愛した男として、軽はずみな行為を許せなかったとの告白に彼等は自分の過ちに気付きうなだれるのだった。翌日、飛雄馬は野球部から姿を消す。彼によって鍛えられた野球部は、その夏の甲子園で勝ち進んでいった…。

●BONはこう読む!:
少年マガジン創刊20周年記念として読切掲載された作品。内容としては「巨人の星」と「新巨人の星」の間のエピソードとして位置付けられる。上記あらすじと異なり、実際は野球部監督の視点を中心に物語は展開しするため飛雄馬は鍵を握る謎の男の扱いだ。これが「外伝」としての読者の期待に、肩透かしを喰らわせた原因となったのでないだろうか?大半の読者は、タイトルが示す「その後の飛雄馬」の内面の苦悩や葛藤を描いたストーリーを期待していたのだろうから。

●単行本:
KCコミックス「新巨人の星」第11巻の巻末他に収録。

●その他:
マガジン創刊20周年記念のスペシャル読切作品を集めた別冊少年マガジンにも収録。