「人間の“性悪説”も無神論などと同じく一つの逃避(エスケープ)だよゴルゴ 人間界の修羅場に耐えきれなくなった むしろ弱者の… すくなくとも そう思いたい そして わたしの大東カラテは人間同士が血で血を洗い尽くした極限に完成したい できれば…」

FILE#122「新カラテ地獄変」
(画:中城 健 影丸譲也)



週刊サンケイ連載/1978.8/10号〜1982.3/11号

●あらすじ:
昭和21年。特攻隊の生き残りとして敗戦の東京に復員した大東徹源は、空手の腕を見込まれヤクザの用心棒となりながら自らの死に場所を探していた。だがその強さ故に裏切りあい、逃れた大阪で不思議な魅力を持つヤクザの頭領・柳ヶ瀬次朗と出会う。次朗の勧めで空手日本一をめざした徹源は全日本空手道選手権で優勝するも空手界から追放されてしまう。異端の空手家として孤立した徹源は、渡米して旧ユダヤ人の秘密結社モンテ・クリスト機関の戦闘員として旧ナチスの残党狩りをする羽目になるが訣別。新天地として訪れたニューヨークのプロレス界で、プロレス界の疫病神と恐れられたチャンプ・キラー・ゴルゴと死闘を経て友情で結ばれる。大東カラテの世界普及にめざめた徹源はアラブの地で、傲慢だが崇高な気位を持つサラ姫と出会い惹かれてゆく。強盗団に攫われた自分を、死を賭けて救ってくれた行動に打たれたサラ姫は、徹源と結ばれた末に身籠ってしまう。アラブの皇太子と婚約中のサラ姫は、徹源を守るために真実を隠したまま斬首の刑に処された。活躍が認められアラブに支部を立ち上げた徹源だったが、愛する人を失った悲しみは深く、彼の心は虚ろにさまようばかりであった…。

●BONの解説:
「ボディガード牙」「新ボディガード牙/カラテ地獄変」に登場するキャラクター・大東徹源の過去を描いた物語。梶原ファンなら誰もが知っているが、彼のモデルが大山倍達であることから、本作は“裏・空手バカ一代”ともいえる。掲載誌故の作者サービスである性描写のドギツさが目立ってしまうが、“空手バカ一代”が少年誌という舞台故に描けなかった部分も序盤には(むろんフィクションを交えてだが)盛り込んであるなど、娯楽作品として充分に楽しめる。掲載時に本作は“未完”として一旦物語は終わるが、数ヶ月後に構想を新たにして「正編 カラテ地獄変」として再開される。

●単行本:
サンケイ出版刊/週刊サンケイ別冊全15巻
(注:13〜15巻は「正編カラテ地獄変」のエピソード。13・14巻については未確認)
サンケイ出版刊/サンケイコミックス全15巻
(注:13〜15巻は「正編カラテ地獄変」のエピソード)
講談社刊/KCスペシャル全10巻
(注:9〜10巻は「正編カラテ地獄変」のエピソード)
道出版刊/梶原一騎原作漫画傑作選 全10巻

●その他:
「新カラテ地獄変」補足:
本作は、1982.3/11号で「未完」として連載終了。
週刊サンケイ別冊及びサンケイコミックスで全12巻として
刊行された。
同年10/28号より続編として「正編カラテ地獄変」が執筆されるが
梶原一騎逮捕により連載中止。単行本も別冊週刊サンケイ&サンケイコミックスで
2巻迄で刊行が止まってしまう。
しかし釈放後、「正編〜」のエピソードは「新カラテ地獄変」と改題され
別冊週刊サンケイ& サンケイコミックス各12巻の続きとして13巻・14巻が刊行。
(※週刊サンケイ別冊版13巻・14巻については未確認)
そして「正編〜」 未完エピソード「道化の英雄」のラスト50ページを影丸譲也氏が執筆し
週刊サンケイ別冊及び サンケイコミックス「新カラテ地獄変」第15巻として刊行、完結する。
以降、KCスペシャルでも「新〜」+「正編〜」で刊行されている。

管理者注: これまで刊行された「新〜」及び「正編〜」の全ての単行本には
影丸氏のクレジットはありませんが、
別冊週刊サンケイ版15巻で
「JKプロ(※影丸氏のプロダクション)」の表記を発見した為、作画の1人とみなし
表記しています。