「おたがいおれたちの年ごろにゃ野球でもケンカでも やるからにはトコトンうちこまにゃ意味がないぜ!」
FILE#115「熱球讃歌」(画:貝塚 ひろし)

月刊少年マガジン連載/1978.1月号〜1979.6月号
●あらすじ:
その少年・的場純は、野球チ−ム城北ペガサスの前にまるで夕焼けの中から現れたようだった。その卓越した野球センスを見込まれチ−ムにスカウトされた彼は、元プロ野球の選手で現在住職の父哲男を監督に迎える。勉強との両立を果たす約束を実行した事でメンバ−の両親から了承を貰いリトルリ−グに加入する。目標はアジアリ−グ優勝!しかし純親子にはもう一つの悲願があった。現役時代ある選手を再起不能にした事から野球を辞め、失意の余り酒に溺れ暴力を奮う哲男とグレル純との生活に疲れ離婚した母へ、元気に立直った姿をTV中継で見せる事だ。猛特訓を重ね力をつけてきたペガサスナインは、次々と試合を勝ち進む。ある日、純の前に母親が姿を見せる。父子が立直った事で再び一緒に暮したいと願う純に、母は今は別の家庭を持ってることを告白。一度はショックを受けるも周りの励ましにより立ち直った純は、ついにアジアリ−グの決勝へ進む。相手は強豪のアメリカチ−ムで試合は一進一退を続ける。その秘密兵器・ポポの必殺のピッチャ−返しを体を張って受けた純は深いダメ−ジを受ける。それでも交替せずに戦い続けるも、最後に力尽き優勝の夢は敗れた。やがて2学期が始まったが、純は学校に姿を見せなかった。父と共に寺を離れ行方も告げず去っていったのだ。ペガサスナインの目の前に映る夕焼けは初めて純と出会った時のように赤く燃えていた。
●BONはこう読む!:
ヒット作「柔道讃歌」と同じコンビの作品とは思えぬ出来。ハッタリと伏線でグイグイ引っ張る梶原テイストも月刊ペ−スでは難しいのか、読んでいて淡々と話が進んでいき大した山場もなく終わった感じ。そもそもリトルリ−グが題材だから、彼らに血の滲む努力とか野球に全てをかけるとかを求めるのも酷な話なのだ。少年漫画の世界が変わっていく中で、梶原イズムの神通力が徐々に失せていく中でもがいている苦闘の一作。
●単行本:
KCコミックス全4巻
●その他: