「さっきのマキの微笑…だんじて世間では英雄にしてもらえぬ…しかし しかし まごうかたなき孤独な英雄の…充足の微笑だった…」
FILE#94「若い貴族たち」(画:佐藤 まさあき)

週刊漫画ゴラク連載/1974.10/10号〜1977.1/6号
●あらすじ:
新宿を根城にするスケ番グループのボス、日向真樹は敵対関係にある暴力団への殴り込みが原因で少年院に送り込まれる。死闘を演じた親ボス・仙波も、自らを捨てて自分の命を救った真樹の人柄に惚れて仲間となった。仙波の手引きで一度は脱走した真樹だったが、残された仲間達の為に教官の暴力が蔓延る少年院に革命を起こすべく舞い戻る。全院生を先導し、革命は決行された!事件は警察やマスコミの知るところとなり、真樹は教官等を人質に法務大臣を呼び出しマスコミを通して謝罪させる。全ての罪を1人でかぶり、逮捕され特等少年院へ護送される真樹を救ったのは彼女の貴族精神を愛するボクサー崩れの用心棒・俊藤だった。事故による死亡と見せかけ警察の目を逃れた真樹は、京都へ流れ着く。関西の女番長お京の陰謀や真樹の生存を知り逮捕への執念を燃やす刑事・宍倉との逃走劇を経て、俊藤との再会。互いの愛を確かめ合い共に暮らし始めるが、小さな誤解により俊藤は逮捕されしまう。真樹の悲しみと怒りは、真実をねじ曲げ伝える芸能週刊誌へ向けられる。グループを復活させ、右翼との繋がりがあるゴシップ誌「週刊告発」の編集部へ殴り込む。乱闘のアクシデントにより燃え上が編集部!凄腕の用心棒の白刃が真樹に襲い掛かった!
※続きは「あの作品を追え!」で取り上げています。
●BONはこう読む!:
かなり端折った展開だが、ここで刊行巻は終了する。ストイックな性格のキャラが多い梶原作品の中でも、本作の主人公・日向真樹はかなり上位の部類に入ると思う。だが、それらを裏付ける幾つかの事件に対する真樹の行為に、太賀誠や星飛雄馬のような痛快感が乏しいのは何故だろう。あらすじでは触れなかったが、真樹に好意を寄せる劇画家志望の青年・草葉に向かって「わたしのこんな身体なんか…センセにあげたっていいんだ!」と(あくまでも心情として)語るシーンが印象に残った。彼女は青年誌版の早乙女愛なのかもしれない。
●単行本:
日本文芸社刊/ゴラクコミックス全6巻(未完)
●その他:
※6巻以降の続きは1976.1/29号〜1977.1/6号迄
◎ 映画化「若い貴族たち/13階段のマキ」
第1部:奔流/1974.10/10号〜1975.5/29号
第2部:宿命/1975.6/5号〜1976.3/19号
第3部:飛翔/1976.3/26号〜12/30号
※最終回は未表記